goo

★保守だからこそ自由社版教科書に反対します


↑ これについては後で説明します。
 
扶桑社から関係を解消された「新しい歴史教科書をつくる会」が自由社という出版社から出した中学校歴史教科書を採択した横浜市で、滑稽な現象が起きています。
 
横浜市教職員組合(日教組加盟)が自由社版教科書の問題点を書いた「中学校歴史資料集」を組合員に配布したことに対し、「つくる会」は、自由社版教科書を使わせない授業マニュアルであり、学校教育法に定められた教科書使用義務に違反していると反発し、横浜市教委や自民党市議たちは「つくる会」側に立っています。共産党が民主党支持の浜教組を応援するという“民共連合”もできています。
 
まず第一に、左翼がこういう手段を取ることは想定の範囲内です。そもそも「つくる会」は自虐教科書の氾濫を憂慮し「自国に対してここまで悪意に満ちた教科書を国費で子どもに押しつけるのは、国民の教育権に対する許しがたい侵害」(『国民の油断』の藤岡信勝氏のまえがき)という認識から生まれたはずです。「悪い教科書は使うな」「『つくる会』の教科書を採択しなくても、せめて副読本として使え」「教科書が悪くても教師は授業でカバーしろ」「近現代史の授業改革だ」という立場です。
 
自分たちの教科書が採択された後、左翼に邪魔されたからといって「教科書の使用義務」を持ち出すのはダブルスタンダード(二重基準)です。歴史観で論争すればいいのです。「教科書の使用義務」を持ち出したら、あくまで自虐教科書を採択する地域の教育は永遠によくなりません。そういう地域には自虐教科書の間違いを正す「授業マニュアル」を配り、教師の意識を変えるべきではありませんか? そのための「自由主義史観研究会」だったのではないですか?
 
さて、大事なことは、自由社版教科書が、浜教組や共産党が非難し自民党市議が擁護するような立派な教科書かという点です。
 
検定に出された自由社版教科書は2年前の平成20年12月、文部科学省から516か所にも上る欠陥を指摘されて不合格となりました(「つくる会」は未だに不合格の事実を会員に公表していません)。
 
再申請しましたが、さらに136か所の検定意見が付き、自由社はそれを受け入れて昨年4月にようやく合格しました。
 
翌月、自由社版教科書の市販本である『日本人の歴史教科書』が発売された後、当ブログは、自由社版教科書が扶桑社版を大部分コピーしつつ、コピーしなかった部分で自虐的に改悪している―という事実を連載で指摘しました。
 
★安重根を取り上げ志士と称える自由社版教科書-扶桑社版からの改悪〈上〉←クリック など
 
すると自由社は、当ブログの指摘を一部受け入れて、文部科学省に40か所に上る自主訂正を申請し、供給本(生徒たちに配られる教科書)で直しました(その訂正は市販本には未だに反映されず、店頭に並んでいます)。訂正内容は下記で報告しました。
 
★あくまで「安重根は韓国独立の志士」の自由社版←クリック
 
安重根については「射殺」を「暗殺」に直しただけで、「韓国独立の志士」はそのままです。他社より詳しい三・一独立運動の記述などの自虐的内容も変わっていません。扶桑社版にある菅原道真、阿倍仲麻呂、岡倉天心、乃木希典の名前も載っておらず、基本的な傾向は同じです。皇后陛下の頭も切られたままです。
 
韓国併合100周年をめぐる菅首相談話と自由社版教科書の朝鮮関係の記述は瓜二つです。
 
★菅談話と自由社版教科書の記述は同じじゃないか←クリック
 
自由社版教科書は自虐教科書です。浜教組や共産党は、扶桑社版ではなく自由社版が採択されたことに胸をなでおろさなければいけませんし、自民党市議は自由社版の自虐的な内容を問題にしなければなりません。あべこべなのです。
 
しかも、自由社版教科書はこれだけ訂正してもまだミスがあります。下に掲載したのは自由社が先月、生徒たちに配った「お詫びと訂正」リーフレットです。
  
生徒たちが使っている教科書に写真の裏焼きが7枚もあったというのです。
 
・3ページ「キトラ古墳」(5枚中4枚)
・19ページ「仮面土偶」
・67ページ「壇ノ浦の戦い」
・86ページ「応仁の乱 真如堂縁起絵巻」
 
フルカラー5ページの正誤表リーフレットです。こんなことは教科書史上、前代未聞です。これを該当ページに糊で貼り付けなさいと言わなければいけない先生たちも、貼り付ける生徒たちもかわいそうです。
 
自由社は、教科書を回収して刷り直さないところがなんともセコいです。 
 

 
横浜市の自由社版教科書採択を主導した今田忠彦教育委員長は、自分ではいいことをしたと思っていたのでしょう。しかし保守を挙げての称賛がないので「どうなってるんだ?」と首をひねっているでしょう。真相は、これまで説明したような構図です。自虐的で欠陥だらけの教科書を選び税金で購入したことを猛省してください。
 
横浜の自民党市議の皆さんはこのブログをよく読んで、保守政治家らしい行動をとってください。
 
私たちは、保守だからこそ自由社版教科書に反対します。

トラックバック ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする