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★「キリストの幕屋」最高指導者が死去

2カ月たっても公式発表や報道がないので、当ブログでお知らせします。

      ▲手島千代子さん          ▲キリストの幕屋(東京都世田谷区玉堤)
 
「原始福音・キリストの幕屋」の前代表、手島千代子さんが2月19日、肺炎のため昇天されました。84歳でした。千代子さんはキリストの幕屋創始者、手島郁郎先生(昭和48年死去)の奥様で、手島先生死去後の49年2月から35年間にわたって教団を指導してきました(千代子さんが入院中の昨年5月12日付で後任代表に長原眞氏が就任していました)。
 
キリストの幕屋の宗教法人としての名称は「キリスト聖書塾」で、文部科学省所管の単立宗教法人として熊本市辛島町を本部として届け出が行われていますが、事実上の本部は東京都世田谷区玉堤の施設です。
 
今月8日、千代子さんを偲ぶ行事が限られた関係者だけで行われました。「一部宗教団体をウオッチする公務員」によると、「新しい歴史教科書をつくる会」の西尾幹二元会長と藤岡信勝会長、それに世界基督教統一神霊協会(統一教会)の関係者も参列しました(これはあくまで宗教団体同士の付き合いであって、ネット上に書かれているようなキリストの幕屋と統一教会の組織的なつながりはありません)。
 
なぜ西尾、藤岡両氏が手島千代子さんを偲ぶ行事に参加したのか。なぜ「つくる会」の会員が激減したのか。『国民の歴史』は大ベストセラーになったのに、なぜ自由社版教科書の市販本『日本人の歴史教科書』はさっぱり売れないのか―について説明します。
 
手島千代子さんは教団内で「奥様」とか「千代奥様」と呼ばれています。とても愛国的な方で、教団の民族主義路線を強化しました。「つくる会」を設立当初から全面的に支援し、最盛期には約1万人の会員のうち5000人近くがキリストの幕屋の信者でした。これは「奥様」の指令によるもので、赤ん坊まで会員になっていました。「つくる会」から入会状況が教団に送られ、入会を継続していない信者には「奥様」が「○○さん、『つくる会』の会費払ってませんね」と叱責しました(「つくる会」事務局員には複数のキリストの幕屋信者がいましたが、分裂後に全員退職しました)。信者たちが『国民の歴史』を大量に買い、中には無差別に郵便受けに投げ込んだケースもあったことはよく知られています(今や『国民の歴史』は全国のブックオフでダブつき、店員泣かせです)。西尾氏はそのおかげで莫大な印税や講演料を稼ぎました。3400万円の住宅ローンを繰り上げ返済で7年で返した「つくる会」首脳もいます。
 
ところがこの数年「奥様」の病状が悪化すると、たがが緩み、「つくる会」を退会する信者が相次いで会員は激減しました(もちろん「つくる会」の分裂で日本教育再生機構ができたことも大きな要因です)。「奥様」が意思表示できない状態になると、当然「指令」もストップしました。
 
キリストの幕屋には複雑なお家の事情があります。「奥様」は後妻で、先妻の長男・手島寛郎氏は病弱で指導者にはなれません。次男の手島佑郎氏は支持者とともに脱会し、別の活動をしています。長女の虹子さんは神藤燿氏(日本・イスラエル親善協会会長)の妻で、夫婦ともに幕屋信者です。「奥様」の子・手島勲矢(いざや)氏はユダヤ思想学者になりました。前述の通り、昨年5月の段階で、手島郁郎氏の血を引かない長原眞氏が新代表に就任。「奥様」が敷いた民族主義路線は後退するとみられています。
 
キリストの幕屋は現在、今夏の参院選に向けて山谷えり子さんの後援会活動に取り組んでいます。山谷さんを当選させることができるかどうかが、キリストの幕屋の動員力が健在かどうかを示すといえるでしょう。
  
「『国民の歴史』ブーム」「『つくる会』ブーム」は、手島千代子さんという偉大な宗教指導者が作った「幻」だったのですが、西尾幹二氏、藤岡信勝氏は自分の実力だと勘違いしたようです。いや、ある程度は分かっていて、西尾氏は著書『保守の怒り』←クリック で日本会議を「カルト」と中傷しながら、キリストの幕屋については全く言及していません。そういうところが、この人のインチキなところです。
 
保守国民運動は「指令」で動員される人やカネに頼ってはいけません。キリストの幕屋の信者の方のうち、「指令」に関係なく教育正常化に献身する人たちが日本教育再生機構の行事に参加しています。当ブログにも連絡いただいています。これらの方々や日本会議、日本政策研究センター、神社本庁といった正統保守勢力、そして産経新聞、扶桑社、全日本教職員連盟、日本青年会議所やPTA団体の人たち、どの団体にも属していない人たち…などによる幅広い「ゆるやかなネットワーク」が必要です。
 
当ブログが西尾、藤岡両氏とその付属物の引退を勧告し、日本教育再生機構に期待する理由はそこにあります。
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★あくまで「安重根は韓国独立の志士」の自由社版


左は、扶桑社から絶縁された「新しい歴史教科書をつくる会」が自由社という出版社から市販している『日本人の歴史教科書』です。この気持ち悪い表紙の正体は
 
★スクープ!『日本人の歴史教科書』表紙はタイのガラクタ-扶桑社版からの改悪<6>←クリック
 
で紹介しました。
 
右は、新学期に横浜市の8区の市立中と東京都市大学等々力中など一部私立中の子供たちに配られた自由社の『新編 新しい歴史教科書』です。採択期間中の「見本本」に対して、実際に学校で使われる「供給本」と呼ばれます。教科書販売店でも今週末にならないと買えませんが、自由社中枢に近い情報提供者の方が先週届けてくれました。
 
当ブログは、自由社版教科書が扶桑社版を大部分コピーしつつ、コピーしなかった部分で自虐的に改悪している―という連載を昨年夏に17回にわたって掲載しました。
 
★安重根を取り上げ志士と称える自由社版教科書-扶桑社版からの改悪<上>←クリックなど
 
供給本を見ると、連載で指摘した欠陥の一部を修正していました。
 
<全般>活字が扶桑社版より一回り小さく、読みづらい。地紋(背景の模様)の上にある活字は埋没してさらに読めない。ルビに至っては判読不能―と指摘したところ、本文のルビのみ大きくした。
<p23>「弥生土器」の写真説明。「東京都文京区弥生町」という地名は存在しない―と指摘したところ、「東京都文京区弥生」に修正。
<p28>「前方後円墳の分布」の地図の説明で「近畿地方に多く見られることがわかる」とあるが、地図を見ると関東にも九州にも多く、学習上不適切―と指摘したところ、「近畿地方に多く見られることがわかる」を削除。
<p56>国風文化が太字になっていないのは自由社だけ―と指摘したところ、太字に修正。
<p56~57>「女手」「大和絵」「屏風」「桓武天皇」「祈祷」などはルビが必要―と指摘したところ、「女手」「屏風」にルビが振られた。
<p58>「鳥獣人物戯画」の写真説明。「1000年前に動物たちの、こんな楽しい表情を描き分ける才能の持ち主がいたのだ」とあるが、鳥獣人物戯画は12世紀の作品で、甲巻・乙巻以外は鎌倉時代とされているので、1000年前は明らかに間違い。古くて900年前―と指摘したところ、「800年前」に修正。
<p72>「華美を押さえて」は「華美を抑えて」の誤記―と指摘したところ修正。
<p73>「貴族のあいだでは、新しい和歌のかたちを生み出そうとする機運がおこり、藤原定家らによって『新古今和歌集』まとめられた。この中にも武士の身分を捨てて僧になり全国を巡りながら無常的な和歌をよんだ西行の作品が光る」。「この中にも」は文章としておかしい―と指摘したところ、「この中で」に修正。
<p85>東求堂同仁斎の写真説明。文末の「。」が欠落している―と指摘したところ「。」を追加。
<p91>「ここがポイント!」に「②」が2つある―と指摘したところ修正。
<p93>「ここがポイント!」「南蛮貿易でヨーロッパ人、日本人それぞれに人気のあった品物は何か?→世界的な銀の価値②時計③ギヤマン④急に増えたキリシタン大名の理由」。「人気のあった品物」が「急に増えたキリシタン大名の理由」って何が言いたいのか? だいたい「人気のあった品物」がなぜ「ヨーロッパ人の日本来航」の「ポイント」になるのか?―と指摘したところ、「南蛮貿易で①ヨーロッパ人②日本人それぞれに人気のあった品物は何か?→①銀②時計、ギヤマン」に修正。
<p100>「江戸城 江戸図屏風」の写真説明。「壕を幾重にもめぐらした」。水を張った堀なので「壕」ではなく「濠」の間違い―と指摘したところ、「濠」に修正。
<p101>「ここがポイント!」。「江戸幕府は大名の領地をどのように決めたのか?→…②親藩③譜代④外様…⑧藩」とあるのは全くの重複だし、だいいち意味不明―と指摘したところ、「①親藩(徳川一族)②譜代大名(関ヶ原以前)③外様大名(関ヶ原以後)」に修正。
<p150>「樺太・千島交換条約」の地図。幌筵島を占守島と表示している―と指摘したところ、矢印を追加。
<p172>「韓国服の伊藤博文」の写真説明。扶桑社版にない安重根を取り上げ「韓国独立の志士」としている。「韓国では民族的英雄であり」などと韓国の立場を紹介している教科書はあるが、教科書の立場としてこのような記述をするのは自由社だけ。しかも「暗殺」ではなく「射殺」。ルビも朝鮮語の「アンジュングン」のみ―と指摘したところ、「射殺」を「暗殺」に修正。
<p176>津田塾大学の前身が「女子英語塾」となっているが女子英学塾の間違い―と指摘したところ、「女子英学塾」に修正。
<p185>「日本の大戦景気」の小見出しが1行上にずれている―と指摘したところ修正。
<p188>「南北戦争(1865年)以後、アメリカが新たに手に入れた領土や植民地(1912年まで)」の地図。メルカトル図法では緯度が高くなるにつれて距離が拡大され、東西が誇張されるため、縮尺を示すのは誤りである―と指摘したところ、縮尺を削除。
<p198>二・二六事件の側注で、大東亜戦争ではなく太平洋戦争になっている―と指摘したところ、「大東亜戦争」に修正。
<同>「ここがポイント!」。「二・二六事件事件」になっている―と指摘したところ修正。
<p205>「ここがポイント!」。大東亜戦争ではなく太平洋戦争になっている―と指摘したところ、「大東亜戦争(太平洋戦争)」に修正。
<p209>「4月、アメリカ軍は沖縄本島に上陸し、ついに陸上の戦いも日本の国土に及んだ」。大東亜戦争で日本の国土で最初に地上戦が行われたのは、昭和20年2月16日に始まった硫黄島の戦いであり、この記述は明らかな間違い―と指摘したところ、「ついに陸上の戦いも日本の国土に及んだ」を削除。
<同>「アメリカの軍艦に体当たりする特別攻撃機」の写真説明。「爆弾を積んだ飛行機を乗員ごと敵の艦船に突入させる自殺攻撃で」。特攻隊を「自殺攻撃」と貶めている―と指摘したところ、「自殺」を削除。
<年表3>秀吉の朝鮮出兵について「秀吉が朝鮮侵略を始める」と記述している―と指摘したところ、「出兵」に修正。
<年表6>大東亜戦争ではなく「太平洋戦争」になっている―と指摘したところ、「大東亜戦争(太平洋戦争)」に修正。
<同>「このころ ソ連、人工衛星『スプートニク』打上成功」。モスクワ時間の1957年10月4日22時28分34秒と秒単位で特定できることをなぜ「このころ」とするのか―と指摘したところ、「1957年」に修正。
 

▲左が市販本、右が供給本(いずれもP172)
 
というわけで、安重根については「射殺」を「暗殺」に直しただけで、「韓国独立の志士」はそのままです。他社より詳しい三・一独立運動の記述などの自虐的内容も変わっていません。菅原道真、阿倍仲麻呂、岡倉天心、乃木希典の名前も載っておらず、基本的な傾向は同じです。皇后陛下の頭も切られたままです。
 
当ブログで指摘してあげた個所を直すなら、直しますよと仁義を切ってくださいとお願いしてきたにもかかわらず、自由社から連絡はありませんでした(逆に第三者に圧力をかけてきました)。私たちは別に監修料や校正料を要求しているわけではありません。しかし礼儀というものがあるのではないでしょうか。この様子では、松本謙一さん(追放された教科書編集室長)やスタッフたちにちゃんと報酬が支払われているのか心配になります。
 
一番の問題は、自由社=「つくる会」が供給本の修正作業を進める一方で、市販本は直さずに販売を続けてきたことです。「つくる会」の藤岡信勝代表は、市販本は去年の秋に増刷すると言っていました(「正論」昨年10月号)が嘘でした。欠陥商品だと分かっていながら回収せず、在庫をさばくため今も売り続けているのです。
 
相変わらず道徳心のない、最低の人たちです。
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