木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

丸椅子

2008-09-09 18:22:04 | 仕事
最近は見かけないけど丸椅子ってわかるかな
座面が丸いの
安い椅子の代表みたいなのだが
昔からうちで作っていた
今よく見かけるのはパイプの脚に丸い座面をつけた奴だが
うちのは木の脚で十文字の支えが2つあるやつだ
当時、理科室なんかによく置いてあったもんだ
僕がまだ小学生になった頃か もう少し前から作っていたのかもしれない
ある時仕事がパタリと止まってさぁ何をやろうということで
近所の木工所のおやじさんからの提案で作り始めたようだ
僕の記憶の中ではこの仕事は結構ロングバージョンだった
丸天挽いて脚を作るためにプレナ加工、角をかんなで落として穴を開けて十文字で組む
そこまでやってからニスを塗った
そのあと脚を立てて丸天を打ちつける
小学生だった僕は 釘を打って ポンチでさらに打ち込んだ後
木栓を込んでまた打ち込む出てるところをサンドペーパーで磨いて
最後にニスの上塗り
覚えているのは一脚250円

両手に2脚ずつ持って家具屋さんの二階の倉庫まで運んだ
帰りにコーヒー屋に寄ってミックスジュースを飲ませてもらう
小学生でも立派な働き手だったような気がする
家族みんなが元気だった
天板打ちつけながら 冗談言いながら 大きな声で笑いながら・・・
「20円ちょうだい」 僕が言う
「きんのう(昨日)やっただろぉ」
「昨日は昨日 今日は今日」 僕の言葉がやけに受けたのを今でも覚えている



やがてこの仕事は天板だけになる
丸天を挽いてニスで仕上げて家具工場へ納める
パイプの脚に乗せられて最近見かける丸椅子になってゆく
丸天一枚仕上げて 980円
それでも高いんだろう
だんだん外国製に変わっていった
今では作ることは全くない

この30cmの天板を挽く
これができた時に僕は結婚する資格ができたような気がした

懐かしい仕事だ
コメント (2)
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