皮膚呼吸しか知らない蛙

アスペルガー症候群当事者が、2次障害に溺れることもありながら社会に適応していく道のりを綴っていきます。

サイクルと対象地域によって温暖化の考え方は異なる

2008-10-20 22:02:41 | 地球科学
前の記事で「地球温暖化は止まらないと思う」と書きましたが、これは私が地球科学を専攻し、プレートテクトニクスに関連する学士論文を書き、地質・環境コンサルタントとしての立場で見てきた個人的感想です。

地球は現在46億年の歴史を刻んでいると言われています。
その46億年のスパンで見た地球全体の気候変動と人類の有史以後の気候変動、産業革命以降の気候変動、最近30年あまりの気候変動。
それぞれの尺度で見解は当然変わってきます。

過去数百万年前までの気候変動の指標は地形学的観点、極地の氷床コアによる酸素同位対比、海底堆積物中の成分分析などであり、サンプル採取技術の観点(コンタミネーションやコア採取の際の期待成分流出等々)等から正確な値がはじき出されるかはこの際省きます。

最終氷期と呼ばれているのは約1万年前。
そういう観点からは現在は間氷期と言えます。
その氷河期・間氷期の間にも温暖期・寒冷期があることが最近の様々な研究で立証されつつあります。

1470年周期説というやつですね。
これについては原因は諸説あり太陽活動や地球公転軸によるものから温室効果ガスに起因するものまで様々。
人類が地球上に生息し始めた完新世(約1万年前)以降の気候変動でよく知られているのは、『縄文海進』というのを耳にしたことがあると思います。
縄文時代の貝塚等の遺跡は現在の海岸線からかなり内陸部に位置し、現在の日本近海の平均海水面より3m~5m高かったと言われています。
ではその当時世界の海水面全体が上昇していたか?と言われると話は別。
世界の海水面は一定では無いのですから。
尚かつ月との引力の関係で干満を日々繰り返している訳ですから。

さて現在デンマーク領のグリーンランドは厚い大陸氷床に覆われているのになぜ『グリーンランド』と呼ばれていたのでしょうか?
北欧のバイキングが海を渡っていた時代、少なくともグリーンランドの一部は名前の通り緑の大地だったと言われています。

有史以降のほとんどの時代は正確な温度観測機器が無かった時代ですので、古気候学・古生物学等の研究の他人文科学系の文献調査から推測する方法になりますが、紀元後数度の小温暖期・寒冷期を経験していると考えられています。

資料の多いヨーロッパ地域では温暖期の方が人類の生産活動が盛んに行われていたという事実もあります。
日本ではどうか?
研究されている方がいるかも知れませんが、少なからず変化はあったでしょう。


確かにここ20年あまりに限っては、北半球の多くの地域で年平均気温が上昇傾向にあるという事が叫ばれています。
それを精査すると気温が上がっている地域、逆に下がっている地域があることに気付くことになります。
グリーンランドの氷床の融解、北極海の解氷の融解。
これらは近年顕著に確認されていると言われ続けていますが、一方でグリーンランド中央部の氷床は層厚が厚くなっている事も示されています。

南半球に目を向けると南極半島の一部を除き、気温は減少傾向。
大陸に乗っかる氷床は2000m~3000mに達します。
南極地方の最高気温は摂氏0度以下。
降水量もほとんど無し。
この氷床が全て融解と確かに多くの大都市は海中に没しますが、それが数十年等というスパンで起こると予測するスーパーコンピューターの未来予測はあまりにも現実的ではないと思います。


その様なことから、地球は人類に壊滅的打撃を与えるほど急速に温暖化しているとは言い難いと思っています。
そしてCO2排出による人為的温暖化にも個人的には懐疑的です。
もし温暖化を促進する要因を研究するとしたら、水蒸気の研究をした方が良いでしょう。海洋調査がこれからはものを言うと思います。


ただ、日本という地域に住んでいて、確かに最近は気候的に読みづらい傾向があるな?と思っています。
農業・運輸・サービス、防災……様々な分野に影響を与えていくわけですから、局地的・細密的な研究は多いに進歩して欲しいと思います。


「極地から温暖化の兆しが見える」と叫ばれる昨今。
様々な分野の研究よりグローバルに物事を見られる研究者が現れることを期待しています(自分が目指してみるかw)。

くれぐれもスパコン君の脅迫的未来予測や政治的思惑に惑わされない様に


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