久しぶりのBAD状態。今年の夏はちーと山が高いな、と思っていたら身体がぶっ壊れてた。しかしこの壊れてから壊れたことに漸く気付くこの体質は非常に厄介だ。諜報部から入った情報によると、どうやらふつうのヒトというのはちょっと疲れたくらいで休むというシステムが作動するらしい。なんて便利なシステムなんだ。とても羨ましい。しかしまあ、身体がこの状態だと思考もだんだんと下痢状態になってゆく。
体調悪い時は抗う . . . 本文を読む
生きるというのは全身で感じるということ。
身体で感じるということは、一部の感覚器官だけを使うわけではないということ。特定の刺激が特定の感覚器官で処理されているというのは、それこそヒトの錯覚であったりする。ヒトは全身を使って情報を収集する。自分の身を持って体験した事柄というものが己の糧となる。体感できない情報は、垂れ流しの情報にしかすぎない。情報を選ぶことは大切なこと。それを己の骨肉にすることも体 . . . 本文を読む
リアンが中央リニアレールウェイで向かった先は、西の炭鉱町。荒涼とした大地にそびえ立つ台形とZ型の鉄骨製立坑櫓が、昔の面影を微かに残す。手入れのされていない竹林には過去に採掘された石炭が無造作に転がっている。この国では幾つか同様の風景を目にすることができるが、数多の犠牲者を出しながら得た「黒いダイヤ」は採算性という壁に阻まれ町全体を砂漠化していった。炭鉱節が唱われた時代も今は昔。為替レートに翻弄され . . . 本文を読む
自戒テーマです(成人のワタシのことです)。
生きているということは、誰かと関わっているということ。自分が愉快でいられるために、他の誰かも愉快でいられることを。何か気付いたことがあったら、ひとつひとつ考えていくこと。それは他の誰かの為でもあり、ひいては自分の為である。
相手に理解を求めるまえに、自分は相手を理解しようと努力をしているか、考えてみよう。
ヒトはみんな違うのである。考え方も、感じ方 . . . 本文を読む
・フレーム問題(Wikipedia『フレーム問題』より引用)
現実世界で人工知能が、たとえば「マクドナルドでハンバーガーを買え」のような問題を解くことを要求されたとする。現実世界では無数の出来事が起きる可能性があるが、そのほとんどは当面の問題と関係ない。人工知能は起こりうる出来事の中から、「マクドナルドのハンバーガーを買う」に関連することだけを振るい分けて抽出し、それ以外の事柄に関して当面無視し . . . 本文を読む
アメリカ的思考が続きますので、ワタシのような田舎モノには結構しんどい。
認知心理学(cognitive psychology) 20世紀後半から現代における心理学の主流。認知心理学は、知覚・理解・記憶・思考・学習・推論・問題解決など人間の高次認知機能を研究対象とし、脳科学、神経科学、神経心理学、情報科学、言語学、人工知能、計算機科学などとの関わりあいの中で認知科学と呼ばれる事もある。この場合は心 . . . 本文を読む
リアルの世界で一仕事終えた勢いで自己満足全開のカテゴリー『寓話』を書いているんですが、稚拙な内容で我ながら恥ずかしいこと(苦笑勢いで100話くらい行きそうなことが脳内のウンパルンパの報告により確認されたので、某国営放送大河ドラマくらいの勢いで更新していこうかとウンパルンパに指令してみました。
カテゴリーはなるべく少なくしておきたいのですが、削るものを選び難いので10番目のカテゴリー『お勉強』を作 . . . 本文を読む
事務所に着くなりユイは疲れをおくびにも見せず、浴槽の準備を始めた。
「あんなバッチいところに居たんじゃ、色んな虫が付いてるでしょ。こんなに毛並みも汚れちゃって・・・清潔にしてあげるのがまず第一。あのばああ、何考えてんだかホントもう」
よっぽど頭にきてるんだろう。タオルとドライヤーを用意しておいて、とリアンに言いながら、急いで服を脱ぎはじめる。ユイにはこういう大胆さがある。モデルをやっていた過去 . . . 本文を読む
真紅のビロードにくるまれた純白の繭。始(ハジメ)と名付けられたその子は、メインクーンと呼ばれる猫種の白毛の雄猫。白毛の子のもつ先天性疾患は染色体異常と言われており、X染色体過剰(XY染色体がXXY染色体となる遺伝子学用語:CNV)、ヒトでいうクラインフェルター症候群に相当する。言語・聴覚障害、気管支系及び心臓疾患を先天罹患した永遠の少年である。
じっと横たわって動かない始が僅かに動かす瞼の奥にあ . . . 本文を読む
「あのヒトが例のヒトじゃない?」近づいてくる女性をヴァナディースと察知したのはユイであった。ユイにもある種のアンテナがあるようだ。40代半ば。身長156cm、体重42kg程。痩せ型。化粧っ気はまるでなく、ショートボブの髪は油分を抜かれたスチールウールの束の様に映る。血色は良くなく栄養状態はあまり芳しくないのだろう。柔和な物腰と表情とは相反する鋭利な感情を持つ、といったところだろうか。「あなたがリア . . . 本文を読む
リアンのオフィス兼自宅には、半年前から一人の女性がいた。奔放な性格と端麗な容姿の中に一点の深い陰を落とす彼女の名前は「神木ユイ」。リアンの知古で元クライアント。雑誌モデルをしていたが安定した収入が得られず転職。タイピングとマクロのスキルを生かして事務系派遣OLの道を歩む。勤務していた商社にて夫と出会い結婚。結婚と同時に夫の故郷である炭鉱町に引っ越す。結婚から3ヶ月、夫からDV被害を受けているので逃 . . . 本文を読む
明くる日、リアンは仕事を終えると、ヴァナディースの指定した住所へと向かった。重工業地帯特有の臭気を含んだ風が海からの湿った空気を運び、茹だるような暑さが相まって、心地良いドライブとはほど遠い重苦しさ。
スタジアムの横目にハイウェイを降り、煌びやかな繁華街を抜けると、ロームで覆われた起伏の激しい台地と狭小な削剥谷地形が点在する別の世界へと変貌する。車一台がやっと通れるような道を左右に折れながら指定 . . . 本文を読む
リアンは最果ての地(Fer East)に来てから日課となったWEBサイトの管理をする傍らで、コミュニティの記事に目を通しているとき不可解な信号をキャッチした。「猫が保健所に連れて行かれようとしています。誰か預かって頂けませんか」
この国では、ヒトの都合で飼えなくなった猫は保健所に引き渡されるケースが多い。一度ヒトの手で飼われても十分野良として生きていける世界も年々狭まってきている。
保健所とい . . . 本文を読む