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~音楽好き(ニッチーくん改め)マロくんのCD日記や、あれこれ~

093 TK逮捕に、思う…

2008年11月08日 16時45分27秒 | 音楽コラム
11月4日、ミュージシャン/音楽プロデューサーの小室哲哉氏が詐欺の容疑で逮捕された。

私が彼を知ったのは、かれこれ20年くらい前。TMネットワークで活躍していた頃だ。某アニメのエンディング・ソングに使われていた、“GET WILD”という曲がヒット。当時、シンセを駆使した斬新なスタイルの曲は、とてもカッコよく聞こえたものだ。彼らの曲が好きなクラスメイトもいた。
'90年にTMネットワークはTMNに改名。そして、'94年、活動を休止。その後小室氏ははプロデュース業に専念。彼の生み出すサウンドは次々にヒット。そして彼のプロデュースする曲を歌う歌手たちは“小室ファミリー”と呼ばれ、音楽界に旋風を巻き起こした。
正直、私は彼の曲に魅了された方ではない。(もちろん、好きな曲はあるが…)むしろ、'90年代の“曲の大量生産”による小室旋風には否定的だった。
いわゆる“小室ファミリー”の中いた、好きな歌手のCDを持ってはいるが、小室色が薄くなり始めた頃の曲から興味を持ち始めた。

しかし、今回の逮捕劇を見て、「本当にもったいない」と思え、残念であった。
彼は実力のあるミュージシャンだと思う。しかし、もっと音楽を大切にして欲しかった。あれだけ曲の大量生産をすれば、どうしても似た要素を持った曲になってしまう。そうすれば、飽きられるもの早い。また色褪せるのも早い。事実、彼が全盛の頃作った曲を、現在聴くと、まだ10年くらいしか経っていないのに、古さを感じる。 国籍、ジャンルも違うので一概に比較はできないが、録音技術が古くとも、
'60、'70年代の洋楽では未だ色褪せない曲があるのだから、首を傾げてしまう。
何でも、彼は金銭的にも困っていたようだ。彼は実力があるのだから、音楽だけに集中し、自分の音楽を追求していれば、いいサウンドも作り、現在のような彼にはならなかったと思う。
ある面においては、音楽ビジネスの悪いものに巻き込まれてしまったのかもしれない。
本当に残念に思える。

もう1つ、懸念されることがある。それは今回の逮捕で、今まで彼が作ってきた曲が否定されることだ。
分かり易く言えば、彼の逮捕によって、それまで聴いていた彼のCDを処分し出す、ということだ。もちろん、真のファンはそのようなことをしないだろうけど。
しかし、世間がそのような考えを持つのは、疑問に思う。
以前、J-POP界のあるミュージシャンがドラッグ所持、使用で逮捕された時こと。逮捕されるや、CDショップの店頭から、そのミュージシャンのCDが回収された。その措置に対して、あるテレビ番組で芸能コメンテーターが「それは、当然の措置」と言っていたのを聞いて、「何言ってんだ、そりゃ、違うだろ!」と私は憤りを感じた。
確かに、ドラッグは良くない。しかし、それまで彼の作品を賞賛していたにも拘わらず、逮捕されるや、それまでの彼の創作活動まで否定する。 私にはそれがわからない。
昨今、ニュースで耳にする、有毒物質混入の食品のようなものなら、即時回収の措置は当然。しかし、問題を起こしたミュージシャンのCDを回収して、どうするのか?聴くことによって、リスナーに害を与えるのか?“そのミュージシャンへの経済制裁”なのかもしれないが、その前に彼の“創作活動(仕事)であるのだから、そのミュージシャン自身のプライベートと、創作活動を別にして見る方が良いのではないか。
それこそ、国籍、ジャンルも違うが、ローリング・ストーンズの場合はどうなってしまうのか? もはや、彼らのCDは入手不可になってますな。(笑)
ちなみに、ドラッグで逮捕されたそのミュージシャンは復帰して、あるヒット曲を作り、賞賛された。逮捕時、“CD回収”までしたのは、いったい何だったのでしょうか?
今回の小室氏の場合、小室氏所属グループglobeの新曲中止はまだわかるが、音楽配信の中止には失笑するものがあった。それまでレコード会社も、彼の実力を賞賛し、また儲けさせてもらったのに。

今後の動向がどのようになるかわからないが、もし詐欺の容疑があれば、それは許されない行為。その時は真実を明らかにして、償ってほしい。
そして、また復帰できる舞台があれば、もう1度復帰してほしい。彼は実力があるのだから。

音楽好きの私が感じた、今回の逮捕劇に対する思いを綴りました。
[音楽コラム # 33]
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