紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

2006-01-30 07:07:59 | 9・昔の風景
私が子どもの頃、まだ家の前の道は舗装されてない砂利道だった。

ある日、舗装道路工事が始まった。
大きなロードローラーが行ったり来たりして、道に敷きつめられた石をつぶしたのを見ていた。
「あれにひかれると、おせんべいみたいにぺっちゃんこになるよ。」
いたずらっ子だった私に、母はそういった。近づくと危ないと思って、おどかしたのだ。
その言葉は十分すぎるほどききめがあった。
平べったくなった自分の姿を考えてはふるえあがり、夜寝てからうなされたほどだ。
決して道には近づかなかった。

(写真:トントンとわたし。妹がまだ生まれていない頃)