Something to Feel

"I'm basically happy person."

「蟹工船」映画

2009年10月15日 | 映画


毎度遅ればせながら
小林多喜二の「蟹工船」、映画を観てきた。
いまさら説明する必要もないのでしょうけども
北の海でカニ缶作りにコキ使われる貧しい労働者たちが極悪監督・浅川に立ち向かって行くお話。



監督・脚本:SABU
出演:松田龍平、西島秀俊、他

これ映像世界がカッコイイ
原作も読んだけど、原作はもっと汚くて辛くて痛々しい。
映画版は、出演してる俳優さんたちが現代的な顔立ちなせいもあるかもしれないけど、
なかなかドライだし、コミカルなところもある。
労働者たちが家族を思い出すシーンや
生まれ変わったところを想像するシーンは思わず笑っちゃったし、
自決のシーンなんて苦しいハズなのにミュージカルみたいだったよ。
蟹缶をつくる工場の色のトーンや機械もかっこよかったし、
労働者たちのねぐら(鉄管を蜂の巣みたいにしてある)とか
なんかセンスいいなあ~と思った。
舞台っぽいつくり。

あの原作から、ここまで現代的につくるってすごいなあ。
文体とか、セリフ回しとか、80年前でほんと古い感じなのに。
セリフの内容とかはかなり変えてあるし、
キタナイ描写もかなり少ないけど、
皆で立ち向かって行くエネルギーはそのままに表現されている感じがして良かった。

原作を読んだときは
主人公がハッキリせず、あまり個人が特定されていないところと、
最終的な結末は描かれていないところがとても新鮮だった。
「えっ、ここで終わるの?」みたいな。
浅川監督がどうなったかは描かれてない。
映画のほうも、一応松田龍平がリーダーだけど、みんなが主役。
結果はどうあれ、
「集団」で、一人一人の力で「立ち上がる」ことがきっと大切なんだろう。


やっぱり松田龍平はいいな~。声もいい。やっぱ好き!
観たのは「アヒルと鴨のコインロッカー」に次いでまだ2作目だけど。
「蟹工船」にはお笑い芸人のTKOのふたりも出ていて、
特にせんとくんに似ている方の人(木下隆行)がすごいいい味だしてました。

これからはカニ缶も心して食べよう。

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