
県道318号線が橋梁の下を走る

農村地帯にこつ然と現れるコンクリートアーチ

曲がりくねった樅木川に架かる

高さ25mのアーチ橋

Y字の橋脚に小さな透かしアーチがよく似合う

下から見上げると迫力が伝わって来る
所在地 / 熊本県小国町北里 西村
竣工 / 1939年 ( 昭和14年 )
設計者 / 鉄道省熊本建設事務所
■ 登録有形文化財 ・ Aランク近代土木遺産
農村風景と美林が連続ずる小国らしい風景の中に、こつ然と現れる灰色のアーチ。
それは、延長112m、高さ25mの6連のアーチ橋である。
中央の4つが直径20mの半円を描き、樅木川の清流や道路、水田を跨いでいる。
アーチ直径の大きさでは線区でも最大で、
そこから覗く周辺の緑とマッチして独特の景観を作り上げている。
また、アーチ間の壁に小アーチを連続させ、
あたかも「透かし」のようなデザインで、見る者を飽きさせない。
それは、強度、構造上の機能とは無関係と思われ、
農村を貫く構造物に美観を持たせた設計者の意図に感服する。
橋上を列車が行き交うこともない今となっては論じても仕方ないが、
黒川温泉をはじめ周辺の温泉地が脚光を浴びる今日、
幸野川以外にも多数の美しいアーチ橋を擁した宮原線が現存しないことは惜しまれる。
幸野川橋梁へのアクセス
幸野川橋梁へは、小国町役場より杖立方面に向かい1キロほど行った所から
右にある北里小学校の看板から(玖珠方面)へ曲がり、
道なりに2キロほど行った所に架かっている。