フランスに揺られながら DANS LE HAMAC DE FRANCE

フランス的なものから呼び覚まされることを観察するブログ

J'OBSERVE DONC JE SUIS

COURTAULD INSTITUTE OF ART GALLERY

2005-07-09 23:54:35 | 展覧会

昨日はパリ最後の夜を充分に楽しんだので、4時間の睡眠でロンドン行きの荷造りをしなければならなかった。Résidence を出る時に受付の人とフランスのことについて話をした。フランスは小さな国だけど、多様性があり面白いそうだ。言葉も breton、corse、basque と全く違う根っこ (racine) を持つものがあり、さらに patois という古いフランスの言葉に由来しそれぞれの地方で変質していったものもある。また地方には独特の歴史・文化があるので、興味は尽きない。今度来た時には、地方を回ってみてはいかがですかと勧められた。どこの国でもそうだろうが、フランスも例外ではなく、この国の言葉で話をしてもらうと非常に誇りに思う (fier と言っていた) ので、反応も違ってくるし、得られるものの質も量も変わってくると言っていた。それは当然だろう。今回、以前英語で旅していた時との違いを痛いほど感じていた。

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午後、無事にロンドンに着く。ホテルのコンシエルジュに近くに美術館はないかと聞いたところ、National Portrait Gallery があるというので、そちらの方向に歩みを進めた。少し行ったところに古びた旗が出ていてどうも美術館らしいので、覗いてみることにした。時間的には1ヶ所回れればいいくらいしかなかったので、駄目であればすぐに出ることにして。そこは、Somerset House にある Courtauld Institute of Art Gallery という美術館であった。入った最初の部屋から、私でも知っている印象派の作品が目白押しで、その質の高さに圧倒された。

Camille Pissarro (1830-1903): Lordship Lane Station, Dulwich
(どうも彼の絵が好きになりかけているようだ。)

Edgar Degas (1834-1917): Two Dancers on the Stage
(別の階には Lady with a parasol; Woman at the window; After the bath, woman drying herself; Seated woman adjusting her hair などがある。さらに今回始めて知ったのだが、彼は bronze の彫刻を多数製作していたようで、その展示もされている。)

Alfred Sisley (1839-1899): Boats on the seine

Pierre-Auguste Renoir (1841-1919): La Loge; Portrait of Antroise Volland; Woman tying her shoes (理由はよくわからないが、彼の絵はどうも好きになれない。)

Claude Monet (1840-1926): Autumn effect at Argenteuil (アルジャントォイユ!); Antibes (日本風の松が前景にあるなと思っていたら、日本の影響を受けている作品とのこと。Giverny の彼の家には日本のものが沢山集められていたようだ。今回はそこまで足を伸ばせなかったが。); Vast of flowers

Édouard Manet (1832-1883): あの作品はここにあったのか、ということで驚いた。
 The Banks of the Seine at Argenteuil
 Le Déjeuner sur l'herbe
 A Bar at the Folies-Bergère (この作品はフランス語の教科書にも載っていた。彼女が何を考えているのかを考えなさい、というような問題になっていたと記憶している。)
彼の生き方とあわせてもう少し知りたい画家になりつつある。

Paul Cézanne (1839-1906): 作品多数。これだけ見てみると、やはり絵に力のある画家であることがわかる。
 Pot of flowers and Pears
 Trees at Jas de Bouffan
 Farm in Normandy
 La Montagne Sainte-Victoire
 Le Lac D'Annecy
 Man with a pipe
 The card players
 Still life with plaster cast

Henri Rousseau (1848-1903): The Toll-gate (この作品だけだったが、やはり独特の雰囲気を醸し出していた。)

Georges Seurat (1859-1891): 点描前後の作品が小さな一部屋にまとめられていた。いずれも小さい絵であった。
 At Gravelines; Study for "the Chahut" (この二つは点描)
 Horses in the water; The Angler; Man painting a boat; Man in a boat;
 Fisherman in a mooved boat; Boat near riverbank, Asinières

Raoul Dufy (1877-1953):
 Les passants
 Vielles maisons sur le bassin d'Honfleur
 Les barques aux Martigues
 Le 14 juillet au Havre
 La plage de Sainte Adresse

Albert Marquet (1875-1947): 全く知らなかった画家だが、2つだけ印象に残る作品があった。
 Quai du Louvre
 Tha banks of the Seine in Winter (特にこの作品が気に入った。L'ambience de ce tableau m'a attiré.)

これだけでも充分に堪能できたのだが、さらにいくつか見ものがあった。

Gogh (1853-1890) の2作品、Self-portrait with a bandaged ear、The Crau at Arles: Peach tress in flower。

Paul Gauguin (1848-1903) の作品も3つほど。Nevermore、TE RERIOA (The Dream)、The Haystacks。Brittany の農村風景を描いた The Haystaks では、絵は自然の模倣でなく、自然のエッセンスのようなものを引き出すものという彼の意思が絵を単純化する方向へ導いていったようだ。

この上、Rubens (1577-1640)の作品が15-6点を始め、古い作品も多数あったようだが見ることはできなかった。

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特別展では Gabriele Münter (1877-1962) が紹介されていた。
"Gabriele Münter: The Search for Expression 1906-1917"

印象主義 impressioninsm から表現主義 expressionism への飛躍を推進したドイツの女流画家。ミュンヘンの美術学校で Wassily Kandinsky (1866-1944) の感化を受け、ともに生活を始めたようだ。第一次世界大戦を機に、カンディンスキーはロシアへ、ミュンターはストックホルムへ旅立つが、後に以前の拠点だった Murnau に戻り、そこで息を引き取る。 

彼女の絵20点以上は一部屋に展示され、一つ一つ見ていったが、いくつか気に入ったものがあった。
 Avenue in the Park St. Cloud
 Jawlensky and Werefkin
 Listening (Portrait of Jawlensky): ユーモアを感じた
 Man at the table (Kandinsky)
 Village Street in Winter: 遠くから見ると色の組み合わせが気分をよくさせる
 Three houses in Murnau
 Portrait of a young woman in a large hat (the polish woman): 日本にもいそうな女性である

全部見終わった後、座って部屋全体を眺めてみた。一つの絵に向かい合っている時とは違う印象があり、さらに部屋全体にガブリエル・ミュンターという人がそこにいるということを感じさせてくれる何かがある。好感の持てる展覧会であった。

隣の部屋には、カンディンスキーの作品が15点くらい展示されていた。どちらかというとミュンターの絵の方に魅かれるものが多かったように思う。

7月11日に再訪問

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PS: 昨日パリでお会いした Amateur d'art 氏がロンドン脱出の際に乗ったという rickshaw を確かに2-3台見かけた。ロンドンで見たのは初めてのような気がする。今まで注意散漫だったのだろうか。
ところで、彼のブログとも繋がってきているようだ (そのブログのPSのところにある ici をクリックするとわかります)。

コメント (6)
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