作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 伊予の人 (二) 】 

2008-05-24 14:33:01 | 04 時事ニュース

嫌で嫌でしょうがない西条の町に、成人後二度行ったことがある。
西条には祖父の他に、母の弟も住んでいて、祖父と同様に大阪
は帝塚山に隣接する姫松辺りにあった家を焼け出されてのこと
だった。

叔父と甥はよく似ると言う人が多い。
親戚の一党は、ボクがまだ若いころだが、この叔父とボクとが
見た目にソックリだと言った。
叔父は明らかにハンサムボーイで、歯科医という職業からか
女性によくもてたらしい。ちゃんと奥さんがいて子供三人も居たのに、
しょっちゅう浮気が深みにはまり、駆け落ちの件数数知れずという
人でもあった。

大学時代に同じ商学部にいた因幡の人が、ある時期ある証券会社
の西条支店にいたことがある。
カレを訪ねたら、ボクの祖父のことも、叔父のこともよく知っていて
驚いたが、ここは他人の動向を探るのが大好きな人の町なんだと
カレは平然として言った。「ヤな連中が揃ってる」

愛媛県には今治という市もある。
この町にはある時社用で行った。何をしに行ったのか覚えては
いない。下積みの内地屋のころだ。
今治は造船とタオルの町だった。
タオル屋さんに綿糸を売るための会社の出張所がある。
遊び人の若い衆が何人も朝早くから出張所に来る。
来ては黙って手を差し出す。現地で雇用した女子社員が、その手
に百円玉一個を乗せてやる。それで連中はおとなしく帰ると聞いた。

タオル業は、中国の廉価な品に押されて廃業の危機に襲われた。
だが村上水軍の血は脈々と生きていた模様である。
今やかつてのタオル屋さんたちは、こぞって大型貨物船のオーナー
と変身し、まとまれば世界一の貨物船の主となっている。




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