作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 働かないサラリーマン (6) 】

2006-10-27 17:05:44 | 12 幼き日々のこと


加古課長が頼りないと思ったのか、課長代理
が置かれることになり岡山というのがやって
きた。岡山支店で綿糸を地場の織屋に売って
いたオトコだから、仮名が岡山。

こいつの得意技は「仮出張」。
役人みたいに、行ってもいない所への堂々たる
仮出張じゃなく、行くことはいく。というより
出発することは出発する。

例えば高知県の漁網メーカーに出張したことに
して、岡山時代に馴染みになった芸者が居る
瀬戸内辺りの温泉宿に泊まり、そこから高知県
に電話で話しをすませ、岡山周辺と高知県との
間の交通費を浮かせるという、なんとも気の毒
になるようなセコい仮出張。

温泉宿での掛りを、高知県の漁網メーカー接待
の形に変えるから、そうセコくも無いのも。

新入社員がお供して、付き合えといわれ、後で
怖くなり課長に「おそれながら」と全部話した。

課長の加古が怒ったが、加古だって似たような
もんだと岡山が開き直る。岡山は仙台支店に飛ば
された。
しばらくして加古も仙台支店に飛ばされるんだけど
かの地でご両人は仲良くやれたのか、それとも
お互いそっぽを向いて過ごしたのか、どっちにせよ
真似をしたくない人生ですなぁ~。


このシリーズ、もうキリがないからここで絶筆。




                                       パパゲーノ


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