何を今更とお思いであろうが、今から書くのは金融派生商品
についてである。デリバティブと言うが、米ドルやユーロを
何年も先まで一定のレートで買う(または売る)権利を長期で
契約することを言い、貿易なんか関係もない中小企業者の
多くが身分不相応な多額の(買う)権利(義務でもある)を抱え
て、大方は円高(米ドル安)で大損をして泣いている。
これを具体的に言うと、米ドルが120円の当時に、決済レート
105円で固定し、十年先まで契約しているのだ。
暫くは110円以上の円安時代が続いたから、年に4回ぐらい
の期日が来るたびに、例えば112円だったとして、
112-105=7、 7x10万ドル=70万円の利益があった。
それが77円になった今では、105-77=28 28x20万ドル
=560万円の損失となって大泣きしているという次第。
賢い銀行は契約時に、105円よりも円高になったら倍額の
20万ドルを契約したことに成る条項を付けていた。
オリンパス程の名門会社が、大きな損失を隠匿するために
操作をする時代だ。会計法人もそれを見逃していた。
銀行にうまく持ち込まれて、為替相場に縁が無い中小企業者
の多くがデリバティブ契約をしてしまった。
円の対米ドルレートが120円もしたのだから、殆どは先物を
買う権利を購入した。
売る権利を契約する手も有ったではないかですか?
だが考えて欲しい。105円で売る(または買うのどちらか)と
決まっていて、その時の為替レートが120だったら、誰が
10万ドルも売る契約をしただろう。
もしそんな者がいたら、1200万円で購入し1050万円で売ら
ねばならぬのだ。たちどころに150万円の損をする。そんな
バカは世の中にそうは居るまい。
だから皆が先物を買った。
国会議員には選挙区があり後援会もある。
後援者の中に多くのデリバティブで大損を出している事実を
知って、それなりに銀行に圧力を掛けはしたが、せいぜいが
損失分の融資に応じるといったのが銀行の態度。
今、全国でどれだけのデリバティブ契約者が居るのか、
日経新聞は知らぬ顔である。
中小企業者の損失は即銀行の利益であろう。
だが銀行は勝手に外国債などに投資して、それなりに損を
出している。
企業の法人所得が少なく、だから法人所得税も少ない。
その一因が上記の事情にあると言って差し支えないと思う。
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