作家 小林真一のブログ パパゲーノの華麗な生活

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【 ウイーン空港にはウサギの一家が 】

2012-10-24 09:15:54 | 02 華麗な生活

およそ40回ばかり訪れた、ウイーン空港に飛行機が着き
空港の中をゲートに向って走る、その通路の傍には緑地が
あり、ウサギが住み着いていた。

もう何代かにわたって住み慣れたウサギたちは、生まれながら
に航空機の爆音にも馴染んでいたかのようで、行く度に一家
が揃って出迎えてくれたものだった。

ここで生まれた子ウサギも、餌の豊富な緑の中で育ち、ボクが
行く度に「お帰りなさい」と迎えに出てきてくれたものだった。

95年に神戸市を直撃した大震災で、何より大阪への交通アクセス
を失ったボクは、毎日マイカーで通れる道を探しながら、芦屋川
を渡るために、山から海辺にかけて狭い道を探す毎日であった。

そのストレスが腎臓に来た。ボクは大連で生まれたベイビーの時代
にすでに猩紅熱を患い、高熱の日々が続いたらしい。
腎臓はすでに傷んでいたのだった。
ストレスが原因で、病状を悪化さえると言うのは本当だ。

それから2年後に、明らかな腎不全の症状が出てきて、97年の
10月1日にボクは透析患者になったから、もうウイーンには行く機会
もなくなった。

あの空港のウサギたちは、今も元気に暮らしているだろうか。



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