二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

(短編)Fate/Zero hollow ataraxia~アーネンエルベの1日 Part2

2012-06-13 00:32:45 | 習作SS
時間は太陽の日差しが最も強力な時間帯に突入した。
地面のアスファルトは太陽の熱を反射し、潮風があるとはいえ耐えがたい熱気を放出していた。
そして、そんな時間に2人の女性が肩に紙袋を担ぎ、トランクを曳いていたが、喫茶店「アーネンエルベ」につくとそこで立ち止った。

「あら・・・わるくないわ。ここで休みましょう葵さん」

「そうねアイリさん・・・戦利品の確認もしたいし」

雪のように白い肌、長く白い髪をした幻想的な女性、
アイリスフィール・フォン・アインツベルンの提案に、活動的な服装をしているが品の良さは隠せない女性、遠坂葵が同意する。
2人は見た目の良さも加わって一見して、買い物帰りのご婦人方が喫茶店でこれから優雅にティータイムと洒落込むシーンとして第三者から映るだろうが。

「うふふふ、今回も豊作だったわぁ。
 『僕は肋骨が少ない』と『受け止めて、僕のエクス♂カリ棒』の他に新規開拓したものもあるし、楽しみね」

「ええ、私の方も『受けるがいい!!オレの股間のゲイ♂ボルク』に『自慰せよ、槍兵』が手に入ったし楽しみね」

その正体は貴婦人ならぬ貴腐人であり、
真実は年々その規模を増すコミケ、またはコミティアと呼ばれる戦場で確保した戦利品を確認するという非常に残念なものであった。
そして、初恋と言う病を拗らせたあげく肺炎にかかった某幼馴染が聞けば卒倒しそうな単語を述べていた。





「ああ、もう。暑いわねお肌が荒れちゃうじゃないの。
 でも、この時期だからこそ宗一郎様に私の水着姿を披露するいい機会だし・・・今度わくわくざぶーんにこちらから誘おうかしら。」

Zeroの人妻枠の2人が入店した後に今度は運命の夜唯一の人妻キャラであり、
最近はカーニバル・ファンタニズムでも活躍したキャスターが現れた。
彼女もまた先ほどの2人と同じくトランクを牽引し、肩には紙袋を担いでいた。
なお、中身は貴腐人達とは違いセイバーフィギア用の材料、セイバーリリィドレス用の布地と微笑ましいものである。

「一緒にお昼ご飯をあーんして食べたり食べさせてもらったり。
 夜は一緒に散歩して夜の景色を楽しんで、予約した高級ホテルの最上階で宗一郎様と一つになるのよ・・・っ!!!」

健気さと可愛らしさでは運命の夜でトップクラスのヒロイン力を保有するキャスター。
同じ健気なキャラでもボスキャラにネタキャラ街道を驀進するどこぞの後輩キャラと違い妄想の内容もまた可愛いものであった。

「ふふふ、だとしたら今日は英気を養いましょうか。
 マスター、アイスティーをお願いね。後、何時ものAセットを・・・あれ?」

英気を養うべく喫茶店のドアを意気揚々と開けて入店したが店員が誰もいない事にキャスターは訝る。
「アーネンエルベ」は比較的客入りは少ない店とはいえ、今日はいつにもまして怠慢である。
そして奥に座っている見覚えのある2人組から声を掛けられた。





「さて、揃ったわね。では、これから第一回Fate人妻交友会を行いたいと思います!」

ギャグ空間、タイガ-道場的勢いでアイリスフィールが宣言する。
なお、眼鏡に袴、薙刀あるいはブルマは残念ながら装備していない。

「その、あの。人妻交友会の名称はその・・・なんというか、恥ずかしい気が」

「タイガーコロシアムのころからこの小娘は頭がアレね
 まぁ、いいわ。最近の作品とか出番とかを話せばいいんでしょ?」

ノリノリな銀髪人妻とは逆に大声で人妻の名称を叫ばれて恥ずかしがる遠坂葵、
人妻、というよりも女の人生において大先輩なキャスターが冷たい目線を差し向ける。
2人は公式が病気になったせいで確実にネタキャラ化しつつある銀髪の人妻のノリについてゆけないようだ。

「最近、と言っても私が映像化されたのは、
 Fate/Zeroからだからそれ以外の場面はないですね、
 キャスターさんはたしかカーニバル・ファンタニズムに出演しましたよね?」

キャスターの問いに、おずおずと遠坂葵が答える。

「そうねぇ、といってもほんの少しよ。
 ゼロのように派手にドンパチしたわけじゃないけど」

「そんなことないわよ、それはそれで楽しいじゃないの!」

「でも、アレはお馬鹿企画よ」

ギャグとネタを百年間ぐらい煮込んで合体事故のあげく、
オレ公式が病気、今後トモヨロシクみたいなアニメが誇らしいというのか。
と、キャスターはさらに内心で突っこむ。

「そういえば、Zeroはなんというか。
 ステイナイトに比べてどこか暗い感じがしますね」

遠坂葵が思い出したように呟く。

「それは、そうよ。
 だって元々設定が全滅エンドだったし。なによりも、Zeroの脚本家がねー。」

「ええ、そうね・・・」

アイリスフィール、キャスターが重苦しそうに言う。
ゼロがより悲劇的なのは脚本家の作風がバッドエンド製造機、
ウロブチの理、奇跡も魔法もあるけど救いはない。等と異名がつくような奴に任せたからであろう。

「逆に、貴女たちにZeroキャラに聞くけど。正直ステイナイトはどう思っているの?」

「・・・王道的冒険活劇、といった所でしょうか?
 少年少女の出会いに、恋愛展開・・・テンプレ的ですけど逆にそこがいいと思います」

「出会い頭の殺し会い、
 ヒロインがラスボス、殺し愛、憎しみ愛。型月世界の集大成と言った感じかしら?
 でもZeroと違って、マスター陣営の逞しい方の雄っぱい成分が不足しているのが少し残念ね」

「ふーん、そうな・・・ちょっと待ちなさい!!今貴女いったい何をいったの!!?」

残念そうにため息をつきながら不穏極まりない単語をのたもうた、
アイリス腐ィールに対してキャスターはステイナイトキャラを代表して尊厳と名誉を守るべく彼女に問い詰める。

「その点、Zeroはマスター陣営がみんな殿方だから、
 槍先、イスウェイ、雁狂、金神、と幅広いカップリングができるし・・・。
 ライダーのマスターなんてお姉さんを誘っているようにしか見えないし、ああ、もう夢が広がってたまらないわぁ」

「アイリさん、アイリさん。麻婆×ワイン、切言、それに水銀×先生も忘れていますよ」

「魔術礼装による触手プレイ!斬新でとっても素敵ね!!」

「・・・・・・・・・・・・ああ、もうついてゆけないわ」

キャスターの問いかけなど既にアウトオブ眼中だったらしく、
キャスターを残して貴腐人2人は腐った会話をヒートアップしてゆく。

やれ、うちの旦那は受けか攻めか?自分たちの旦那は基本受けだけど鬼畜なワインとか見てみたいよね、
神父に追い詰められて『来いよ、何処までもクレバーに抱いていやる』と開き直ったスナイパーとかないかなー。
魔術先生の4次槍鬼畜調教とかどう?最終的に槍が先生の足の指をなめて永遠の服従を誓ったりとか、いいと思わない?

やっぱりZero最大のカップリングはイスウェイね!!公式がどちらかが性別が違ったらFate2になっていたと明言するくらいだし。
だいたい、何なのあの可愛さは!?23話の馬上で手をもじもじさせる動作とか、涙を浮かべる表情とかあざとく過ぎてて萌え殺されそうだったわ。
さりげなくライダーのマントを握ったり、一緒にアラララライイッッッと叫ぶシーンだけでご飯3杯は行けたよね。

ウェイバー!ウェイバー!ウェイバー!ウェイバーぁぁうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ウェイバーウェイバーぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ウェイバー・ベルベットたんの黒い髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
漫画版のウェイバーたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
アニメ放送されて良かったねウェイバーたん!あぁあああああ!かわいい!ウェイバーたん!かわいい!あっああぁああ!

「ファアアアアアアアアアアアアアアクククぅぅぅぅ!!!!!!???
 馬鹿にしやがって馬鹿にしやがって馬鹿にしやがって、これだから日本はキライなんだ!!!!」

「きゃ!!え、何?」

2人だけの世界に旅立ったのをぼんやりと観察していたキャスターは背後からの奇襲に驚く。

「あら、いたのねライダーのマスター」

「ほんと、こんな所で知り合いに会うなんて」

対してアイリスフィール、遠坂葵は冷静そのもので。
街角で偶然知り合いと会ったような態度でウェイバー・ベルベットに応じた。

キャスターは彼女たちから見ると正面にマスターが居たのは承知済みであったと想いに至り。
そして悟る、後半妙に筋肉達磨なサーヴァントのマスターについて特に議論していたのはマスターの反応を見て楽しんでいたのだろうと。

「おいおい、あんまり騒がないでくれないか?
 客入りは悪いとはいえ、曲りなりとも商売をやっている身からすると堪らないからな」

「あ、すみませ・・・あれ?」

店員と思わしき声に遠坂葵が4人を代表して謝罪を述べるが、店員の姿に言葉を止める。
黒い肌、というよりも顔面全体に施された刺青という異様な姿な上に娘の知り合いに似ていたからだ。

「虎聖杯以来ねアンリマユ。まさか、また貴方に会えるなんて」

「おうおう、久方ぶりだな」

衛宮士郎の身を借りて現界した悪魔はニヤリと、オリジナルなら絶対浮かべない笑みを浮かべた。

コメント
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