空から天使の贈り物
ストライクウィッチーズのSSを紹介します。
このSSのテーマは「もしもエーリカ・ハルトマンが現実世界に来たら?」という現実トリップです。
マルタ攻略戦で現実世界へトリップしてしまったエーリカ・ハルトマン。
そしてそんな彼女と関わった浪人生が今後どうするか?
投稿されてまだ数話ですが、
現実トリップのSS自体珍しい上に、
ストパンをネタにしたものはさらに少なく、貴重なものだと思います。
なのでぜひ見てください。
(あれ?)
そこで山本はふと違和感を覚えた。
ひときわ明るい光を放っていた星が、なんだか先程よりも大きく見えるのだ。
山本が呆然としている間にも、どんどん光を増してきている。
二等星くらいの明るさから、一等星ほどの明るさになって、こちらに向かって近づいてくる。
「NASAの落し物か!?マジ、マジなの!?宝くじより低い確率に当選したの俺!!?」
ソレは慌てふためく山本に向かって、一直線に降下してくる。
「来ちゃダメェーーーーーーーー!!!!!!」
叫ぶ山本に向かって、直撃。
それはあまりも一瞬で、
山本は苦痛の声をあげる事もできなかった。
薄れる意識の中、
山本は(NASAから保険料って出るのかな……)と場違いな考えをしつつその生涯を終え――
「か、彼女いない暦=年齢で死ぬ訳には……!?」
――こんな事で死ぬ訳にはいかない!
とでも言うように、山本はカッと目を見開き、視界いっぱいに広がる満天の空を見上げた。
(なんで、俺……生きてるんだ?)
あれだけの高さから物が落ちてきたのだ。
いくら空気抵抗があるからといって、物体の落下速度を殺しきれるわけがない。
あんな速度で突っ込んでこられたら、山本なんて木っ端微塵になってしまうだろう。
「……NASAがアストロスイッチでも開発したのか?」
仰向けの状態からガバリと上半身を起こし、自分を下敷きにしているソレをおそるおそる覗き込んだ。
――それは、NASAの落し物などではなかった。
紛れもない、生身の人間。しかも――
(うそ……だろ……?)
そこに居たのは――
(見間違えるわけ、ない……よな)
そこに倒れているのは――
「……エーリカ・ハルトマン?」