二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

おススメSS 鬼神西住

2016-04-25 22:05:26 | おススメSS

鬼神西住

劇場版の売り上げが予想以上に高いガルパンのSSです。
本SSの主題は「もしも西住みほが軍神ではなく鬼神であったなら」
という考えで再構成されたSSで、原作のような優しさはなく修羅の娘となります。

勝利のために味方を犠牲にするにも躊躇せず、
自身のカリスマで犠牲にされた味方もそれに疑問を抱かせない。

全国大会では射線の邪魔、
という理由で前の車両を川に突き落とし10連覇を達成。
しかし、そのやり方に恐怖を覚えた母親によって追い出される。
そして大洗に来た西住みほは信頼できる生徒という仮面を被り周囲の信頼を得つつ行動に移す…


「みほ、みほ! 
 お前は射線の邪魔になるのなら仲間を川に突き落とすのか、
 あの氾濫する川に。仲間がどうなるのか考えなかったのか。みほ、答えろ!」

 今までしほに目を合わせていたみほは、まほの方を向いた。

「状況によるなら、そうするでしょうし、
 そうしました。仲間? 射線の邪魔になる仲間はその時仲間ではありません、それは障害物です」

「お前本気で、言っているのか」

「本気もなにも、だって、そう思いませんか。邪魔だな……って」

 やはり平然として応えるみほの顔に、まほは寒気がした。どうしてこんなことが平然と言えるのか。

「私の知るみほは、もっと……優しかったはずだ」
「優しさ。最も尊ぶべきものですね、私はそう思います」
「なら、どうして……」
「撃てば必中、護りは硬く、進む姿は乱れなし。鉄の掟、鋼の心」

 みほは目を閉じて西住の流儀を諳んじた。
 目を開けて、二人を交互に見る。

「実行しました、ええ、間違いなく。
 西住の流儀に何一つ悖る所が有りません。
 そして勝ちました。馬鹿げた真似? 本当にそう思われるのですか。
 西住流の後継者が、本気でそう思っているのですか」

 娘が何を言っているのか、母親は理解出来なかった。
 だから、ただ一つ分かることを口にした。

「みほ、あなたは正気じゃない」

 狂っている……母の隣で青ざめた顔をしてまほは呟いた。

「此処から出ていきなさい。あなたに戦車を動かす権利はないわ」

 みほは驚いた顔をして、
 その後俯いた。「なんで……」と俯いたまま、か細く言った。

「なんで分かってくれないの……」

 人目には、母と姉に拒絶された可哀想な妹に見えた。
 だが実際にみほを目の当たりにしている二人には、全く別のものに見えた。

「それなら」

 みほは顔を上げて、悲しそうに笑った。

「西住流なんて、いらない」

 母と姉には、妹がまるで地獄の軍団長に見えた。

















コメント
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