二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

続いたネタ4 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-10-04 22:39:20 | 習作SS
続いたネタ4 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり


銀座に異世界へ繋がる門が開き、
同時に21世紀の日本とも繋がった、その事実に世界中が衝撃を受けた。
ただでさえ、アメリカを下して以来日本一人勝ちの状況が続いていた中での出来事なので、
各国は門が齎す利益に嫉妬と羨望を滾らせておえり、第三帝国ことドイツなどは。

「枢軸、連合の域を超えて日本は直ちに門に関して広く開放すべきである!」

と主張しており、リッペンドロップ外相がゲッペルス仕込みの派手な演出と共に周辺諸国へ訴えかけていた。
勿論憂鬱な転生者達が作り上げたこの日本の対応は「ぶぶ漬でも食らいやがれ!」な対応であった。

「異世界は宝庫だ、何故我がドイツに現れなかったのか…。
 それにあのギンザの門、あの技術を我が物にすれば門を自由に任意の場所に展開し、
 どこでも軍を送れるようになり、日本との距離の問題、力関係の全てが解決する!!
 何が何でもあの門の技術を手にするのだ、それと21世紀の技術もあらゆる手段で手に入れろ。
 さもないと日本との格差がまた広がってしまう!これはドイツの運命が掛かっている、良いなカナリス提督?」

「誓って努力します、我が総統」

ヒトラー総統の命令に国防軍情報部部長のカナリス提督が恭しく敬礼した。

(まさか、機会が直ぐ来るとは!
 だが、例のポーランド人を使った諜報はまだ準備が出来ていない。
 陸軍だけでは無理だ…忌々しいが親衛隊に頭を下げて協力するしかない。
 聞くところによると、あのオカルト好きの眼鏡が異世界にご熱心らしいしから話は進むはずだ)

疾風の件で叱責を受けていたカナリス提督にこれはチャンスであった。
だが、門の技術を奪還するという任務は困難極まりなく、競争相手の親衛隊を巻き込むことを考えていた。

(有色人種で編成された武装親衛隊、アレを借りよう。荒事にも使えそうだし調度良い)

45年7月に投入された「黄色いSS」を思い浮かべる。
極東で活動するには白人は目立ちすぎるので、有色人種の人材をカナリス提督は欲していた。
何せ総統自ら「あらゆる手段」という注文が付いた以上荒事を考えなくてはならないからだ。

(それとモルヒネデブにも協力を呼びかけるか、人手は多いに越したことはない。
 普段の奴なら首を縦に振らないが疾風の件で失態した以上、奴は協力せざるを得ないだろう
 飴として21世紀の技術で疾風を超える戦闘機を作るための技術確保が必要だな、海軍も同じ手口で人手を集めれそうだ)

同じく失態していたゲーリング、そして心労が祟りつつあるレーダ元帥を想像しつつ人手をかき集めることを目論む。

「では、準備して参ります、総統閣下。
 どうか良き知らせをベルリンでお待ちください」

「期待しているぞ」

かくして門と21世紀の技術強奪、
という目的で大規模な諜報、戦闘部隊が編成されつつ中、
イギリス、モズリー首相もまた日本を羨ましがっていた。

「無人の大地、資源、相手は精々中世レベルの文明。
 まったく羨ましいな、嘗ての我が祖国と同じく開拓し放題というわけか。
 わが国に現れれば財政も食料問題も今ある問題の全てが解決できたというのに……」

積みあがった負債による財政難。
異常気象による食糧難、そしてドイツとの戦いで失った誇りと活気。
と、問題を幾重にも問題を抱えて込んでいる祖国を思うと憂鬱な表情をしか浮かばなかった。

「で、チョビ髭伍長殿はその門に熱心で、
 門と門の向こうの21世紀の技術を解析、強奪すべく大規模な諜報、戦闘部隊を編成しつつある、か」

「はい、陸海空、それに親衛隊と4軍を巻き込んで準備をしているようです」

円卓の関心ごとは門に対するドイツの反応で、
何をしようとしているのか、諜報組織の努力で判明した。

「戦闘部隊とは物騒だが、原爆に富嶽、
 そして疾風で追い詰められているから手段は選ばないと来たか」

「親衛隊まで巻き込んでいるのか…。
 おまけに戦闘部隊とは荒事前提だな…いっそ、我々も同じことでもするか?」

「馬鹿を言うな、唯の諜報なら兎も角、
 戦闘前提の技術強奪など事が露見すれば日本との外交関係が終わってしまうぞ!」

思わずそんな事を呟いた円卓のメンバーの1人にイーデン外相が血相を変えて怒鳴る。

「今ドイツが矛を収めているのも我々の背後に日本がいるからだ!
 栄光ある孤立などもはや過去の遺物あることを理解して頂きたい!!」

「海軍としても反対だ、ロイヤルネイビーは日本の援助抜きではやってゆけない」

顔を怒りで紅潮させるイーデン外相に第1海軍卿のアンドリュー・カニンガム力なく答える

「だが、門と21世紀の技術は大英帝国に必要だ。
 両者があれば今抱える問題の大半が解決する。違いないかね?」

「……………」

モズリーの言葉に円卓の面々が押し黙る。

「とはいえ、日本に直接手を出せば我が祖国は破滅する。
 ならば簡単だ―――クラウツが奪った技術を我々が横から掻っ攫う、これしかない」

「先の中東でMI6がナチのジェット機の情報を盗んだように、ですか?」

イランでの演習の最中にした大胆極まりない諜報活動の例をあげる。

「そうだ、ローマの政治家が言ったように今の英国に必要なのは、
 第一に必要になるものは大胆、第二に必要となるものも大胆、第三に必要になるものも大胆だ」

モズリーが言い終えると周囲を見渡す。
そこにいたのは狼狽した羊の群れではなく覚悟と決めた男達で、そんな円卓の面々にモズリーが満足する。

「よろしいではMI6が良く働けるように各自で準備を、
 そしてイーデン外相、ナチが動いている事を日本に伝えるのだ。
 向こうは既に知っているかもしれないが売れる内に恩を売っておけ、
 それと観戦武官の派遣についても断られたが引き続き打診するように…」

ドイツ、イギリスが様々な思惑を抱えて準備する最中。
枢軸国でナンバー2の地位で何気に勝ち組のイタリアでは特に動きは無かった。
そもそも我らが統領が異世界に繋がる門が開いたという報告を受けての第一声が、

「ゴブリンなんかよりも狼耳美女やエルフはいないのか?」

で、あった。
とは美女に現を抜かすだけではないのがムッソリーニであった。
ドイツのように技術強奪よりも、枢軸国でも独自外交を取れる点を利用して、
将来門を介して21世紀の世界と交易で如何に稼ぐかを考えていた。

「国際的な学術団体の派遣を日本に申し込んでみるか」

また、異世界の軍がどこかローマの軍勢に似ていたため、
現代のローマ帝国復活を掲げていたムッソリーニとして興味を示しており学術団体の派遣を考えていた。
既に学者の一部では銀座に現れた門が初めてではなくかつて地球の歴史上何度も現れ、今も行方が知れない文明は門を超えて異世界へ逃げた。
という説を唱えており、イタリアでは異世界の人間はミケーネ文明の末裔ではないかという仮説が出ていた。

「面倒ごとは伍長殿に押し付けて、後はぬくぬくとやらせてもらおう」

夢幻会のメンバーが聞けば羨ましくなりそうな事がイタリアの現在の方針であった。
かくして銀座の門をめぐって世界が動き出す。











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