二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

【予告】ヴァルハラの乙女 第19話「歩み」

2015-10-27 06:42:05 | ヴァルハラの乙女

「あ……?」

ペリーヌ・クロステルマンが目覚めた先に見えたのは病室の天井であった。
しばらくその意味が分からず、ぼんやりと天井を眺めて過ごす
が、徐々にこうなったであろう原因の記憶を思い出し、状況を理解する。

そう、自分はネウロイに対して無茶な行動をした。
そしてその結果、負傷してしまったのだ。

「ん、眼が覚めたか中尉」
「…っ!!バルクホルン大尉!」

横から声が掛けられる。
振り向けばそこにはぎこちなく腕を挙げるバルクホルンがいた。
よく見れば手から腕にかけて包帯が巻かれており、同じく負傷したのだろう。

いや、違う。
そんな原因を作ったのはペリーヌ自身だ。

「申し訳ございません、大尉!!
 私があんな事を…あんな事をしなければ大尉は負傷しなかったのに!!」

起き上がりバルクホルンに頭を下げるペリーヌ。
無理にネウロイに突撃していた自分を止めようとしていたのを覚えていた。

「あ、ああ。別に気持ちが落ち着かず、
 むしゃくしゃする時だってあるさクロステルマン中、ペリーヌ」

対するバルクホルンは気にするなと言いたげな言葉で答えた。
しかし、ペリーヌの心が追いついていなかったことを知っていた。
それを知った上での言葉にペリーヌは自分の未熟さを思い知り、落ち込む。

「大尉がいなかれば今頃私は……」
 
「そ、そんな顔をするな。
 それに感謝するならわたしじゃなくて宮藤だ。
 宮藤がネウロイを仕留めたお陰でこうして生きていられるのだから」

「あの宮藤ですって!!?」

思わぬ人物が出てきたことでペリーヌが叫ぶ。
宮藤、宮藤芳佳といえばペリーヌが密かに慕っている坂本少佐の同郷というだけでも気に入らないが、
何よりも気に入らないのは少佐に可愛がられており、自分ではとても進展できないほど密接な関係を築いている。

「…本当にあの子は実戦はここが始めてですよね、大尉?」
「本当だぞ、わたしも信じられないけど」

それに輪に掛けて気に入れないのは、
圧倒的なウィッチとして才能をこれでもかと見せ付けてくることだ。
未熟な所は多いが訓練を重ねるごとに徐々に洗練されており、とてもこの間まで一般市民だったとは思えない。

だからこそ、ペリーヌは宮藤が羨ましかった。
少佐に可愛がれている上に、自分と殆ど変わらぬ歳で見せる才能。

はっきり言ってペリーヌは、

「私では勝てないのですね、あの子に…」

ペリーヌは宮藤に負けていた。





魔法少女カナタTS




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