昭和9年に建設された龍宮閣。
昭和27年に火災で焼失するまで、現存した期間はわずか20年足らず。
断崖絶壁に聳える姿は、写真でしか知ることができないが、そのインパクトは大きい。
小樽市は、この龍宮閣に続く遊歩道を昭和52年から58年にかけて整備。
ニセコ積丹小樽海岸国定公園(昭和38年指定)にも指定された勇壮な景観は、観光スポットとして脚光を浴びた。
しかし、平成18年、大規模な崩落が発生。
地質調査を実施した結果、岩盤の脆さから今後も崩落発生の可能性が高く、安全対策には多額の経費を要することが判明。
以来、立入禁止の措置を講じ、現在に至っている。
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何といってもこの写真のインパクトだ。
誰もがその圧倒的な姿に衝撃を受ける龍宮閣。
こんなものが再現されたら集客は間違いない。
ただし、安全対策をどう講じるのか。
国定公園内であり、自然公園法に基づく特別地域に指定されているため、開発には一定の制約もある。
今回の調査で現実的な提案ができるものなのか。
今後に注目したい。
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オタモイ遊園地跡、再開発案 小樽商工会議所 ニトリ5千万円寄付、調査へ
出典:北海道新聞
【小樽】小樽商工会議所が、昭和初期に道内屈指のレジャー施設として知られた「オタモイ遊園地」跡の再開発を検討していることが分かった。家具・インテリア製造小売りのニトリ(札幌)から26日に5千万円の寄付を受け、3月にも地質や採算性の調査を始める。
オタモイ遊園地は1931年(昭和6年)、日本海に面した市内オタモイ海岸で建設が始まり、断崖絶壁に建つ高級料亭の龍宮(りゅうぐう)閣や演芸場、海水浴場などが集積する人気行楽地となった。52年に龍宮閣が焼失。その後、事実上閉鎖された。
同会議所は本年度、遊園地跡の再開発に向けた勉強会を開催。20万平方メートルの市有地に宿泊施設や歴史資料館を建設し、海岸に桟橋を設けてマリンレジャーにも生かす素案を作成した。
小樽市内で老舗高級旅館「銀鱗荘」や小樽芸術村を展開するニトリ側が「素晴らしい立地で滞在型観光への魅力が高まる」と案に同意し、専門的な地質調査などを行うため寄付を申し出た。同会議所は「オタモイの歴史や自然環境を堪能できるリゾート開発に向け、調査を通じて観光開発の実現性を探っていきたい」としている。
<ことば>
オタモイ遊園地 小樽の繁華街・花園ですし店を成功させた愛知県出身の加藤秋太郎が手掛けた行楽地。正式な開園時期は不明だが、1934年(昭和9年)に完成した木造3階の龍宮閣や演芸場、遊具広場など多彩な施設がそろっていた。龍宮閣の焼失後、小樽市が74年に遊歩道を整備したが崩落が相次ぎ、2006年から市が一部を立ち入り禁止としている。オタモイ海岸周辺はニセコ積丹小樽海岸国定公園に指定されている。
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