第74期名人戦A級順位戦の最終9回戦一斉対局が土曜日深夜決着した。
別名「将棋界の一番長い日」と呼ばれる。
将棋界最高の舞台である羽生名人との7番勝負に挑戦者として名乗りを上げたのは、今乗りに乗っている新進気鋭佐藤天彦八段。
A級昇級後、わずか1期で名人位挑戦とは見事という以外に言葉が見つからない。
一方で、郷田真隆王将と久保利明九段の降級が決まった。
久保九段の最終局の対戦相手は森内九段。
負けたほうが降級という大一番である。
午前10時の対局開始から夕刻、夜遅くになっても両者ほぼ互角の形勢で局面は進む。
手に汗握る大熱戦。
死闘である。
対局開始から14時間が経過、日付も変わり大詰めの最終盤、121手目に久保が放ったのは▲9六銀。
森内玉を追い詰める当然の一着に見えたが、なんとこれが敗着になったという。
森内九段が久保玉に王手の連続で迫り、午前零時56分、久保九段投了。
この瞬間に森内九段のA級残留と久保九段のB級1組への降級が決まった。
局後、感想戦で示されたのは▲8六銀。
これが詰めろ逃れの詰めろになっていたようだ。
感想戦でこの手を示された両者の間には、20分近く沈黙が続いたという。
一つ右のマスに銀を置いていたら勝ちだった。
観戦記者は、記者団と森内九段が問答するうちに静かに姿を消した久保九段にA級通算10期の矜持を感じたという。
厳しい勝負の世界に、語り継がれるだろうドラマがまた一つ、生まれたと思う。
別名「将棋界の一番長い日」と呼ばれる。
将棋界最高の舞台である羽生名人との7番勝負に挑戦者として名乗りを上げたのは、今乗りに乗っている新進気鋭佐藤天彦八段。
A級昇級後、わずか1期で名人位挑戦とは見事という以外に言葉が見つからない。
一方で、郷田真隆王将と久保利明九段の降級が決まった。
久保九段の最終局の対戦相手は森内九段。
負けたほうが降級という大一番である。
午前10時の対局開始から夕刻、夜遅くになっても両者ほぼ互角の形勢で局面は進む。
手に汗握る大熱戦。
死闘である。
対局開始から14時間が経過、日付も変わり大詰めの最終盤、121手目に久保が放ったのは▲9六銀。
森内玉を追い詰める当然の一着に見えたが、なんとこれが敗着になったという。
森内九段が久保玉に王手の連続で迫り、午前零時56分、久保九段投了。
この瞬間に森内九段のA級残留と久保九段のB級1組への降級が決まった。
局後、感想戦で示されたのは▲8六銀。
これが詰めろ逃れの詰めろになっていたようだ。
感想戦でこの手を示された両者の間には、20分近く沈黙が続いたという。
一つ右のマスに銀を置いていたら勝ちだった。
観戦記者は、記者団と森内九段が問答するうちに静かに姿を消した久保九段にA級通算10期の矜持を感じたという。
厳しい勝負の世界に、語り継がれるだろうドラマがまた一つ、生まれたと思う。