杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・首都圏同年会~今年も日本記録更新の友人と

2010-11-03 03:06:36 | 
今年も、10月30日、高校時代の同年生で、首都圏に住むメンバーが集まりました。

昨年「3年前に脊髄の悪性腫瘍で下半身が不随になった友だち」と書いた彼は、ことし「4年前に・・・」となり、実は、現在日本記録更新中なのです。

彼の病気を説明すると
10万人にひとりという珍しいもので、脳や脊髄の腫瘍は、胃がんなどと違って病期とかステージとかという表現は使わず、WHOが定めたグレードという表現を使うのだそうです。グレード1が低悪性、グレード4が高悪性で、一般的にグレード4では、生命予後は半年から1年だそうです。彼は、当初、生命予後は半年と主治医から言われながら、パートナーの
「子供がまだ小さいのだから、責任逃れしないでちょうだい」との一喝で
脊髄の腫瘍が、脳への浸潤・転移を防ぐために経路を絶つ、つまり脊髄をちょん切ってしまうという手術をしたのだそうです。切ったところから下へは脳からの運動の信号、その逆方向の感覚の信号は伝わらないので完全麻痺になりますが、彼の場合は、幸い両手の機能は残り、胸から下が麻痺しているということです。


昨年、この同年会の前に、彼自身が「日本記録更新かも?」と題を付け、脊髄が断絶した様子が鮮明にわかるMRI画像を添付して、メールをくれました。

今年は幹事が「日本記録更新中の彼に会おう」という案内を流してくれました。
この日は台風で、きっとあえないだろうな、と思っていたのが、エレベーターのない私鉄から、JRの入場券を使って構内をうまく移動してきたとのこと。
昨年よりも、元気な印象を受けたくらいでした。

でも、日本に数少ない同病の方たち(もちろん彼も含めてなのでしょう)は、日々命との戦いだということは、明るく話すデータの説明からもわかります。

だけどね、ここまで来ると、誰が後か先かもうわからないですよね。
学生時代ならいざ知らず、大きな病を抱えたはずの彼の話を、誰もさほど深刻に聞きもしないふうなのは、みんないろいろ重いものも抱えたり、見聞きしたりしてきているからでしょうね。

「自分の人生から遊離して自分が見えるようになってきた、自分の使命が見えてきた」といっていた人もいました。・・・いい意味で解離してますね。

また来年、とみんなと別れたのですが、一年は早いです。
そういえば、先日、臨床心理士の西澤哲さんが、年を取るほど一年を短く感じるのは、生きてきた年数分の1年の割合が小さくなるからだ、と話されていましたが、それらしいようで、あまり納得できないままですが・・・。











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