杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・団藤重光さんが逝去

2012-06-28 22:33:30 | 
刑事法学の第一人者で、刑事訴訟法など戦後の刑事法の策定に関わった元最高裁判事で東大名誉教授の団藤重光(だんどう・しげみつ)さんが25日、98歳でなくなられました。

団藤刑法といいえば、私たちの学生時代のバイブルでした。
行間ににじむ、深い人間に対するまなざしを感じ、すごい学者だな、と感じていました。

私が学生当時、既に、極めた方だと思っていましたが
私が弁護士になった後も、死刑廃止や少年法改正問題で発言をされ、
おおきな影響を与えていたことに
学者というだけでなく、現場でも声を出されていることに感動しました。

高内寿夫先生が少年法改正の時の団藤先生の発言を書いておられるので抜粋させていただきました。
http://homepage2.nifty.com/takauchi/risou/1.htm

「少年法改正作業が進められていた1999年、元最高裁判所判事で長く日本の刑事法をリードしてこられた団藤重光博士が、日本弁護士連合会において講演をおこなっている。詳細は省略するが、神戸で起きた連続幼児殺傷事件を例に、その犯罪の背景となっている心理学・精神医学的観点からの調査・研究の必要性を述べ、そうした調査・研究ぬきに法改正を急ぐようなことはしてはならないと釘を刺している。そして、団藤博士はこの講演を次のように締めくくった。「要するに人間的なものを見失った、そういう改正は絶対にいけないと思うのです。・・・・・21世紀を迎えるにあたっては、次の世代につながることを考えて、遠大かつ慎重な計画をもっていろいろなことをやってゆかなければならない。こんな時期に、驚くべき近視眼的な見識で、とりかえしのつかない形で根本を変えてしまうような行き方をあえてとることは、世紀の恥辱であり、無責任きわまることだとおもうのです。」

 団藤博士はたいへんなジェントルマンである。その博士が「世紀の恥辱」という激しい言葉で今回の改正を批判したのである。なぜ今回の改正を団藤博士は「世紀の恥辱」としたのだろうか。」(引用以上)


ご冥福を祈ります。


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