風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

カリスマギタリスト、リッチー・ブラックモアの「運」

2014-11-16 19:16:01 | 雑感




私はどうも、「癖」のある人が好きみたいです。

トップにいる人よりも、2番手3番手、4番手5番手あたりをウロウロしている人の方に興味を惹かれる。

ももクロのメンバーの中で、私が有安杏果を推す理由の一つにも、彼女は決して、ももクロの一番手ではない、ということもあるのは事実です。

これは杏果自身が語っていたことなのですが、ももクロのトップ、百田夏菜子は「運」だけでここまでやってこれたように「見える」。本当は努力しているのだろうけれど、そうしたところを全く見せないのだそうです。

杏果やあーりん(佐々木彩夏)は幼い頃から芸能界にいて、大人達に囲まれた中でかなり苦労してきましたから、この二人からみると、夏菜子は「運」が良いように見えるようです。

「運」も実力のうちとは、よくいいますが、百田夏菜子という人は、そういう意味ではやはり「天才」なのでありましょう。

それが「エース」というものなのかも知れない。


私は基本、箱推しからの杏果推しですから、夏菜子の天才性も好きだし、認めています。でもやっぱり、

ももクロというグループの中では決してトップに立つことのない杏果を、推したくなるんですねえ。







            



                  






ロック・ギタリスト、リッチー・ブラックモア。

70年代初頭、ハード・ロック・バンド「ディープ・パープル」のメンバーとして人気を博し、その後1975年、自身のバンド「レインボー」を結成して活動後、1984年に再結成ディープ・パープルに参加、そしてまた脱退と、紆余曲折を繰り返し、現在は26歳年下の奥さん、キャンディス・ナイトと「ブラックモアズ・ナイト」というユニットを結成し、主にルネッサンス音楽をベースとした、クラシカルなような、民族音楽のような、それでいて現代的なサウンドを展開させています。



                 
                 DEEP PURPLE-Smoke On The Water 1972日本武道館

途中、影響を受けたミュージシャンたちのインタビューが入っています。



                 
                 RAINBOW-Spotlight Kid  1984日本武道館

ヴォーカルのジョー・リン・ターナーが二日酔いだったのが気に入らなかったリッチーは、いつもよりもワザと速いテンポで曲をスタートさせ、ジョーにイジワルを仕掛けたのだとか。いかにも仕事に厳しい、リッチーらしいエピソード。



数々の奇行が語られ、変人の名を恣にするリッチーではありますが、かなり節制した生活を続けており、酒は適度な量以上は飲まず、ドラッグ等には手を出したことはないようです。

そういう性格の為か、いわゆるロックンローラー的な生活を嫌っており、RAINBOWのドラマーだったコージー・パウエルが食べ過ぎで太ったことがきっかけで言い争いとなり、これが大ゲンカに発展。コージー脱退の原因を作った…かどうかは分かりませんが、

ちょっと面倒臭い人かもしれません(笑)




黒いステージ衣装に身を包み、クラシカルなギター・フレーズと、ギター・クラッシュなどの派手なステージ・パフォーマンス。そしてなにより、その全身から立ち上る「静かなる狂気」といった佇まいは、観る者をして惹きつけずには置きません。

フェンダー・ストラトキャスターを抱えてステージにすっくと立つそのシルエットは、それだけで一幅の絵のようです。これほどストラトキャスターが似合う方はなかなかいません。メチャメチャ格好よくて、ある種の威厳すら漂わせている。こんなギタリストを、寡聞にして私は他に知りません。




多くのギター・プレーヤーに影響を与えたリッチーですが、ギタリスト全体の中での評価はさほどに高くない。エリック・クラプトンやジミー・ペイジに比べて、随分と格下扱いされている感が強く、それは、影響を及ぼしたのが主に、ハード・ロック、ヘヴィ・メタルシーンに限定されており、クラプトンやペイジ、ベックなどに比べるといかにも狭い、というのがあるのでしょう。

それとやはり、ギターを破壊したり、テレビカメラのレンズにギター・ネックを突き刺したり、アンプに火を点けて爆破させるといった、一連の派手なステージ・パフォーマンスの印象が強く、肝心のギタープレイがさほど印象に残っていないのかも知れません。

本当は素晴らしいフレーズをたくさん弾いているのですがね。なんとも惜しいです。




商業的にも大成功を修めたとは言い難い面があって、DEEP PURPLEはともかく、RAINBOWは日本でこそ大人気で、来日するたび武道館でライヴを行っておりましたが、アメリカなどでは精々ホールクラスの会場で行うのが精一杯。ライヴ・ハウス規模の会場でライヴを行うこともよくあったようです。


それでも、そのカリスマ性は多くの奇行伝説とともに時代を越えて語り継がれ、その名前だけは大きく伝えられ、忘れ去られることはありませんでした。

特にこの日本では。

これもある種の「人徳」というべきなんですかね?

まあ、人徳というか、そのプレイ・スタイルやら佇まいやらが、「日本人好み」なのかも知れません。

破壊的なようでどこか品がある。イギリス人特有の重みとでもいうべきか、それがどこか日本人と相通じるところがあったのでしょう。

リッチー自身、日本のファンはちゃんと「音楽」を聴いてくれるということで、好意を寄せているようです。

リッチーと日本のファンとの「蜜月」。このようなファンがついていてくれたリッチーという人は、「運」が良い人なのかもしれない。





             
              ブラックモアズ・ナイト




90年代後半、リッチーは突如ロックから脱却し、ルネッサンス音楽をベースにしたユニットを結成します。

26歳年下の奥さん、キャンディス・ナイトとともに始めたユニットは「ブラックモアズ・ナイト」と名付けられ、伝統的音楽に現代的感覚が融合されたユニークな世界を構築しています。

初めて聴いたとき、「リッチーの「基本」はなにも変わっていない」と私は感じました。

ロック時代からやっていることと、基本は変わらない、ただスタイルが変わっただけだ。私はなんの違和感も無くすんなりと受け入れられましたが、流石の日本のファンも、こればっかりは勝手が違ったようで、フアースト・アルバムが10万枚を超えて以降、アルバム発売ごとに売り上げは激減の一途を辿ったとか。やはり日本のファンは「ロックのカリスマ」としてのリッチーに拘りがあるようで、どうにも受け入れがたいものがあるようです。

私などは、良い音楽を聴かせてくれるんなら、それでいいじゃないかと思うのですがね。私のようなタイプは珍しいのですかね?

日本のファンとの間の蜜月関係に、若干のヒビを入れる結果となxてしまいましたが、幸いにもヨーロッパ方面での受けは比較的良いようです。

ヨーロッパ人のDNAに刻まれた伝統音楽をベースにしているということで、受け入れられやすかったのでしょう。かなり精力的なツアーも行っているようで、リッチーは充実した日々を送っているようです。



こうしてリッチーを見ていると、「なんて運の良い人だろう」と思っちゃいますね。

ずっとやりたいことだけをやって来れた。やりたいことが出来なければバンドを辞めてきたし、気に入らないメンバーがいれば次々とクビにしてきた。

ついにはロックをもあっさりと捨て去り、やりたい音楽そのものの方向性をもシフトさせてしまった。

それでも常に、一定数の支持者は必ず現れる。トップには立てなくても、好きな音楽を好きなように続けられる環境に居続けられた。


本当にこの方は

運が良い。




                 
                  Blackmore's Night-Home Again












それにしても、「運」って一体なんなのでしょう?


何かに「お願い」すれば、付けてもらえるものなのでしょうか?

抑々なにが良い運で、なにが悪い運なのか、わかるものでしょうか?



人生の中で、良いこと悪いことは繰り返し訪れますが、本当はどれが良いことで、どれが悪いことかなんてわからないものです。

良いことだと思っていたら、後々それが原因でひどい目に会うかもしれないし、悪いことだと思っていたら、後々その出来事の御蔭で、思いがけない幸運が舞い込むかもしれない。

結局、ことの善し悪しなど簡単に分かるものではないです。

リッチーは偶々ミュージシャンとして一定の成功を修めたけれども、これが本当に良い運だったのかどうか、実は最後の最後までわからないんですね。今のリッチーの在り様は、今までリッチーが歩んできた道の、一つの結果でありまた、経過に過ぎない。これからどうなって行くのか、それを決めるのは今のリッチーの在り様。

果たして良かったのか悪かったのか、それを決めるのは常に「今」の自分なのだね。



ある意味、生きているという事自体が、一つの「運」なのかもしれない。

生きてるだけで丸儲け。

生きてるだけで、運が良い。

なーんだ、みんな運が良いんじゃないか(笑)

あなたも、あなたも、みんな大丈夫。

みんなみんな、「運」が良い。

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2 コメント

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Unknown (玲玲)
2014-11-16 21:13:42
実はブラックモアズ・ナイトは聞いてなかったのですが、楽しそうで良い雰囲気です~。
癖のある人と言うより、武士のような職人気質やストイックな方が好みでは?
運が良いってその時その時に自分が好きなものに素直であることなのかしら?
百果が国立が緑のサイリウムに彩られた時のウルウルは素直でいじらしかったですね♪
はい、やっとももクロ国立DVD一枚目を観たばかりです。
二曲聴いたら一時停止してお風呂入ろうと思ったら、まさか松崎しげるの歌から涙が止まらなくなろうとは。まだ会場でももクロちゃんの登場待っているだけで涙ぐんでいるモノノフ見てたらまた泣けてきて、バッチリ泣きながら一枚観てしまいました。
心が洗われちゃいましたよ~。
かなこは嵐に影響受けれるなんて本当にストレートに素直だと思います。
私は屈折しているから、ジャニーズにしては楽しそうで面白い奴らとか枕詞つけないと嵐の話なんて出来ません(笑)
運が良いのは素直であること。
百果の努力したいって素直な部分も好きですが、例えば「なごり雪」を歌った百果は一音一音丁寧に歌っていて楽曲にリスペクトしている心意気も感じて感動したんだけど、百果色に歌ってしまっても良いのに、アーティスト有安百果になって欲しいなとかも感じていました。まぁそれも余計なお世話で、そのうちこちらがまたビックリする開花をされちゃうんだろうけど。
あれ、リッチーの話なのに何故かももクロちゃんに…失礼しました。
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Unknown (薫風亭奥大道)
2014-11-17 07:06:19
玲さん、杏果には今後ソロ・デビューとか、アーティスティックな方向に行ってほしいよね。元々アイドルは視野になかった人なわけだし、それでも与えられた仕事を一生懸命やってきての今だから、縁だとか御蔭だとかをよくわかっている人だと思う。こういう人には、大成してほしいねえ。
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