ナスカ編には重要人物がもう2人、登場します。
一人はジョナ・マツカ。
もう一人は、トオニィ。
ジョナ・マツカは辺境に派遣されている船員で、キースのナスカ探索にも参加していました。いつもおどおどしており、他の船員たちからも馬鹿にされている、冴えない男。
しかし、マツカは、成人検査を通過した後にミュウの因子が目覚めてしまった、いわば隠れミュウだったのです。
自分に起きたことに戸惑い、誰にも知られないようワザと成績を落として辺境に配属されるように仕向け、ひっそりと暮らしていました。
しかしそこへ、よりによってメンバーズ・エリートが派遣されてきてしまった。自分の正体が知られてはマズい。
マツカは念動力でキースを殺そうとしますが、一瞬の隙を突かれ返り討ちにあってしまう。
なぜここにミュウがいる?スパイか?キースはマツカを殺そうとしますが、泣きながら自分の身に起きたことが理解できず、孤独と恐怖の中にいたマツカの話を聞くうち、キースはなぜかマツカを助けてしまう。
なぜ助けたのか?おそらくはキース自身にも、その本当の理由はわからなかったに違いない。あるいはマツカの抱える「孤独」に、自分自身と重なり合うものを無意識に感じていたのかも知れませんが、
わかりませんね。
助けられたことに恩義を感じたのか、以後マツカはキースの唯一の側近として、生涯キースを守り続けることになります。
トオニィは惑星ナスカで自然出産により生まれた「ナスカ・チルドレン」の第1号であり、ジョミーを「グラン・パ(おじいちゃん)」と呼んでとても慕っています。彼らナスカ・チルドレンは他のミュウにはない頑健な肉体と非常に強い特殊能力を持ち合わせていました。
何故ナスカで生まれた子供たちだけが?トオニィは言います。
「ジョミー、あなたが【強く生まれてこい】と思ったからだよ」と。
トオニィたちナスカ・チルドレンは、戦闘に特化したミュウとして、戦いの最前線に立つことになります。
「強さとはそういう意味ではなかった…」ジョミーは若干の後悔の念を持ちながらも、彼らナスカ・チルドレンを戦場へと向かわせることになるのですが、それはもう少し後の話。
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マツカは消息を絶ったキースを救出するため、単身ナスカへ降りることを決意します。マツカに向かって精神波攻撃が行われますが、マツカはこれを戸惑いつつも退けます。
またしても精神波攻撃が効かない、ミュウたちの間に動揺が走ります。
一方この時トオニィはまだ2~3歳の幼児でしたが、キースの危険性を察知し、「殺すべき」だと即断します。誰もやらないなら自分がやる。トオニィはテレポーテーションで素早くキースの幽閉されている部屋の前に立つと、サイコキネシスで部屋を破壊します。
凄まじい爆発の中、辛くも難を逃れたキースは、そばに堕ちていたガラスの破片をトオニィに投げつけます。その破片はトオニィの胸に刺さります。
ゆっくりと頽れるトオニィ。この光景をトオニィの母親・カリナがテレパシーで目撃してしまう。
カリナの激しい怒りと悲しみが、炎となって大爆発を起こします。この混乱に乗じ脱出しようとするキース。
とそこへ、盲目の女性占い師・フィシスが現れます。キースの危機を察知し、自分でも訳が分からないまま、キースのもとへやってきたのです。
フィシスを人質にとり、艇を奪い脱出するキース。フィシスが人質に取られているため攻撃ができない。
なんとかしなければ、ジョミーは周りの制止も聞かず、衝動のままに己の身をESPシールドで包むと、単身宇宙空間へ飛んでいきます。
一方、キースを探すマツカのテレパシーを感じ取ったキースは、マツカに通じているか分からぬままに、マツカに命令します。
「三秒で艇を爆破するから、私の身体をESPシールドで包め」
艇が爆破された瞬間、宇宙空間でキースとジョミーが交錯します。キースは驚きの目でジョミーを見、そのジョミーの目には
怒りの炎が渦巻いていました。
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キースを救出したマツカがキースにミュウたちのことを訊ねます。「あれはぼくの仲間ですか?ぼくをたぶらかす化け物ですか?」
キースは答えます「化け物だ!」
この言葉は一見、マツカをも化け物と罵っているように聞こえますが、私にはそれだけではないような気がするんです。
キースは「化け物だ!」とは言いましたが、「お前と同じ化け物だ!」とは言っていない。私はここに、キースの複雑な胸中が垣間見えるような気がします。
キースは無意識のうちにこう言っているような気がします。「お前は俺の側に居ろ!」と。
キースはこの後も、折に着けマツカに辛く当たります。時には瀕死寸前にまで追い込むこともあった。それでもマツカはキースの側に居続けます。
そうする以外生きる術がなかった、ということもあるでしょう。しかしそれ以上に、キースの中にある「孤独」や「哀しみ」を唯一理解できたのがマツカだったから。
ということもあったのかも知れません。
いずれにしろこの二人、不思議な、しかしとても強い絆で結ばれていくのです。
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トオニィは死んではいませんでした。ガラスの破片が刺さる瞬間に自分の肉体を硬質化させ、心臓に達しないようにしていたのです。
生きながらえたトオニィは、自分の意思の力で、3~4歳だった自分の肉体を一気に12歳くらいにまで成長させます。
ジョミーのため、ジョミーの「駒」となって戦うために。
生還したキースは直ちにナスカ攻撃を命じます。トオニィはその強い予知能力でこれを察知し、ジョミーに進言します。
ミュウたちの意見は分かれます。若者たちの中にはナスカでの生活に未練を持つ者達も多く、地下壕に避難すれば難は逃れられると主張し譲りません。
仕方なくナスカを離れる者と残る者とに分かれるミュウたち。ミュウの宇宙船がナスカから浮上した、その時
大量のミサイルが、ナスカに降り注ぎます。
その量は地下壕に避難した程度で避けられるような規模を遥かに凌駕していました。残ったミュウたちの苦痛と、助けを求める叫びがジョミーを包みます。
ジョミーは己の思念波をナスカに飛ばし、一人でも多く救出しようと心の手を差し伸べますが、
当然ながら、誰一人として救い出すことが出来なかった。
この時からジョミーは、己の肉体的な目も耳も口も使わなくなってしまう。
唯一己の「心の目」だけで、外界と接するようになります。
己の甘さが、多くの仲間たちを犠牲にしてしまった……ジョミーは決意します。
ミュウの永の悲願を達成するため、戦うことを。
ジョミーの想いが、テレパシーとなってミュウたちを包みます。目指すところは一つ。
地球〈テラ〉へ…。
つづく
「シン・ゴジラ」アカデミーの審査員の方々に評価が高かったことに驚きました。興業収入一位の「君の名は。」は、あまり評価されなかった・・のかしら。でも、監督賞や、脚本、作品賞などに、ノミネートされていた事は良い事でした。
フィシスは、予知能力がある証明として、「ナスカが燃える!」と言うじゃないですか。これ、TVアニメでは無かった。それが残念でした。
ウヒヒ。楽しみに読ませていただいてます。
、、」 こんなストーリー展開だったのですネ~~!面白いです。知ることが出来て良かった~!先はどうなるのかしらん。
アニメ版というと私は映画の方を思い出します。数年前にやってたテレビ版は作画が気に入らなかった。映画版でジョミーの声を担当していたのは井上純一、キースには沖雅也、フィシスは秋吉久美子でした。ソルジャー・ブルーは志垣太郎だったね。
シロエは確か神谷明さんだったような。トオニィは古谷徹さんでしたね。そしてなんといってもジョナ・マツカの声が薬師丸ひろ子ちゃんでした。正直、下手でしたけど(笑)。懐かしいね。
3月6日の月曜日朝8:15よりNHK総合テレビで放送される『あさイチ』に、夏菜子がゲストで出ますよ。『べっぴんさん』撮影秘話とか、5月放送予定のスピンオフ・ドラマの話題が出ると思われます。イノッチや有働アナウンサーとの掛け合いが楽しみです。見るべし!録画してでも見るべし!
昨日家族で、良子ちゃん一家が一番関西人らしいよなぁ〜って言ってたんです!実にテンポ良く、オモロい家族を地で演ってますよね〜!最もオバハンらしいし!!!(爆)
さすが、かなこぉはんんっ↑↑↑(笑)
そう、あの映画版は、私も衝撃でした。
まだ言っちゃいけないキースのクライマックス場面は、それから何十年と「あれは素晴らしい作品だった」と覚えていたものでした。
ありがとうございます。