14日、食品最大手のキリンホールディングスは、2位のサントリーホールディングスと「経営統合へ向け交渉の初期段階にある」と発表、交渉入りを正式に認めた。両社は持ち株会社の統合案を軸に調整を進め、年末にも合意、来春以降、経営統合に踏み切るとのこと。
両社が統合すると、世界でも最大級の食品・飲料メーカーが誕生することになる。日本国内の注目度はかなり高いようだが、私としては幾つか懸念している点がある。
まず、「統合比率」をどのように決めるかという点だ。
今回のニュースが発表されてからキリンの株価が上昇した。これはサントリーが非上場会社のため、サントリーに対する魅力・期待値も含めて、キリンの株価に反映されたと見て良いだろう。
この株価を受けてキリンとサントリーで対等に評価するというのでは、サントリー側からすると不公平だと感じると思う。
サントリーの佐治社長は「対等の立場での統合」を強調しているが、この点について両社がどのような妥協点を見出すのか? これは、解決しなければならない問題の1つだろう。
またもう1つ、統合過程の中で私が懸念しているのは、両社のカルチャーの違いだ。
この数年間でキリンという会社は、いわゆる欧米型の合理的な会社に生まれ変わった。一方のサントリーは、比較的「おっとり」している会社だ。
サントリーホール、サントリー美術館を運営するなど、文化事業にもかなり力を入れている。
こうした事業も、サントリーが非上場会社であれば誰からも文句を言われることはないが、両社が統合するとなると話は変わってくるだろう。
統合比率をどう定めるのかという点、そして正反対とも言える異なるカルチャーをどのように統合していくのかということが、キリンとサントリーが統合する上で大きな課題になると私は見ている。
また根本的な問題として、両社の統合が進んだとしても、その拡大した規模に値するほど事業のシナジー効果が得られるか? という点についても、私はいささか疑問を感じている。
確かにキリンとサントリーが統合すれば、規模だけで見ると世界の食品メーカーの中で第5位に躍り出ることになる。
しかし、どちらも国内市場に強いだけであり、世界のマーケットでの存在感が大きいとは言い難いのが実情だ。
両社が統合しても日本国内で圧倒的なナンバー1になるだけで、世界の食品マーケットには殆ど影響はないと私は思う。そういう意味では、「何のために統合したいのか?」私にはよく理解できない。
さらに言えば、日本国内のマーケットにおける影響も、それほど強くないのではないかと私は思う。
確かに企業規模は圧倒的になるが、お互いに弱いところを埋め合うような事業シナジー効果があまり見えてこないからだ。
例えば、ビール市場を見ても、キリンがサントリーと統合しても、サントリーのシェアは大きくないので、アサヒを圧倒できるとも思えない。
またサントリーが強みを持つウイスキー市場も、今後市場が縮小していくのは間違いないから、大きな期待はできないだろう。
ただ非上場を貫いてきたサントリーが他の企業との統合に向けて動き出したということは、サントリーの佐治社長はかなりの危機感を持っていたのだと思う。
そして、キリンを選んだというのは、「やるからにはとことん世界と戦いたい」という意思表示だと私は感じた。
これまで見たように課題は山積しているが、今後、世界のマーケットの中で活躍するために、キリンとサントリー統合後の「絵」をどのように描いていくのか、注目していきたいと思う。
両社が統合すると、世界でも最大級の食品・飲料メーカーが誕生することになる。日本国内の注目度はかなり高いようだが、私としては幾つか懸念している点がある。
まず、「統合比率」をどのように決めるかという点だ。
今回のニュースが発表されてからキリンの株価が上昇した。これはサントリーが非上場会社のため、サントリーに対する魅力・期待値も含めて、キリンの株価に反映されたと見て良いだろう。
この株価を受けてキリンとサントリーで対等に評価するというのでは、サントリー側からすると不公平だと感じると思う。
サントリーの佐治社長は「対等の立場での統合」を強調しているが、この点について両社がどのような妥協点を見出すのか? これは、解決しなければならない問題の1つだろう。
またもう1つ、統合過程の中で私が懸念しているのは、両社のカルチャーの違いだ。
この数年間でキリンという会社は、いわゆる欧米型の合理的な会社に生まれ変わった。一方のサントリーは、比較的「おっとり」している会社だ。
サントリーホール、サントリー美術館を運営するなど、文化事業にもかなり力を入れている。
こうした事業も、サントリーが非上場会社であれば誰からも文句を言われることはないが、両社が統合するとなると話は変わってくるだろう。
統合比率をどう定めるのかという点、そして正反対とも言える異なるカルチャーをどのように統合していくのかということが、キリンとサントリーが統合する上で大きな課題になると私は見ている。
また根本的な問題として、両社の統合が進んだとしても、その拡大した規模に値するほど事業のシナジー効果が得られるか? という点についても、私はいささか疑問を感じている。
確かにキリンとサントリーが統合すれば、規模だけで見ると世界の食品メーカーの中で第5位に躍り出ることになる。
しかし、どちらも国内市場に強いだけであり、世界のマーケットでの存在感が大きいとは言い難いのが実情だ。
両社が統合しても日本国内で圧倒的なナンバー1になるだけで、世界の食品マーケットには殆ど影響はないと私は思う。そういう意味では、「何のために統合したいのか?」私にはよく理解できない。
さらに言えば、日本国内のマーケットにおける影響も、それほど強くないのではないかと私は思う。
確かに企業規模は圧倒的になるが、お互いに弱いところを埋め合うような事業シナジー効果があまり見えてこないからだ。
例えば、ビール市場を見ても、キリンがサントリーと統合しても、サントリーのシェアは大きくないので、アサヒを圧倒できるとも思えない。
またサントリーが強みを持つウイスキー市場も、今後市場が縮小していくのは間違いないから、大きな期待はできないだろう。
ただ非上場を貫いてきたサントリーが他の企業との統合に向けて動き出したということは、サントリーの佐治社長はかなりの危機感を持っていたのだと思う。
そして、キリンを選んだというのは、「やるからにはとことん世界と戦いたい」という意思表示だと私は感じた。
これまで見たように課題は山積しているが、今後、世界のマーケットの中で活躍するために、キリンとサントリー統合後の「絵」をどのように描いていくのか、注目していきたいと思う。
各分野での国内シェアだけでみれば、両社ともある程度の住み分け出来ているので、総合的メリットは小さい。ならば国内シェア獲得に向かうよりも、ノウハウを活かして外国企業に押されがちな水資源ビジネスでのパイオニアとしての国内シェア確立をしてからの方が中長期的なビジョンとしては正解だろうと思います。
「株主代表訴訟を避ける」ことにあるのでは?
サントリーから見れば佐治一族支配から逃れられるし
キリンから見ても目に見えない株主より
HDという利益追求の法人の方が仕事がやり易い。
ウイスキーの味はともかくサントリーは
良い企業のひとつだと思います。
美術館は、佐治氏の好意で個人所有で続けて
頂くしかないかと、思います。
キリンから見たらサントリーは縮小均衡でOK。
これが成功したら、宝酒造も敵対的であろうと
合意であろうと株式統合に動くでしょう。
(永昌源もと言いたかったが既にキリンの子会社ですね)
残念だけど企業経営理念より大事なものがでてきたようです。(いまさらいうのも唇が寒いが)