日本橋人形町の美術商「内村美術店」主催による納涼会が催された。時同じくして同店内「一粒舎ギャラリー」では、肉筆浮世絵、花鳥画などの一般展観が行われ、決して嫌いではない私としては、大いに感興を誘われるばかりであった。
優美さの極致のごとき鳥文斎栄之の絵に、蜀山人(大田南畝)が讃を寄せている軸が、店内入口から向かって左側に2幅掛けてあって、これがすばらしかった。歌麿ほど妖艶ではないものの、鳥文斎栄之はやはりいい。値は、訊ねなかった。
甘酒横丁を横断して、旧・芳町見番の向かい、テレビドラマ『新参者』のたいやき屋ロケで使われた道筋に、伊東旅館という老舗の宿があり、夕刻、そこの座敷で納涼会第1部として、寄席が催された。出演は音曲師の柳家紫文と、女性2人組の三味線デュオ、東京ガールズ。
紫文師匠が披露した新内流しの三味線、この音色は、往年の芳町花柳界たるこの人形町の街中で聴くと、また一段と生々しさというか艶めかしさのようなものが増して、非常に眩惑的なものであった。自慢にならないが、私は映画の劇中以外で新内を聴くのは、これが初めてである。
納涼会第2部、これは「世界湯」近くの居酒屋「い」にて無礼講。主催者である美術店の店主、浜町・明治座筋向かいの「魚とら」主人夫妻、今は人形町の居酒屋を引き払い、房州・館山で骨董を営む「万華鏡」元主人、東京ガールズのリーダー・柳家小糸さん、板橋区立美術館館長など、様々なる人と歓談し、夜更け過ぎに解散す。
優美さの極致のごとき鳥文斎栄之の絵に、蜀山人(大田南畝)が讃を寄せている軸が、店内入口から向かって左側に2幅掛けてあって、これがすばらしかった。歌麿ほど妖艶ではないものの、鳥文斎栄之はやはりいい。値は、訊ねなかった。
甘酒横丁を横断して、旧・芳町見番の向かい、テレビドラマ『新参者』のたいやき屋ロケで使われた道筋に、伊東旅館という老舗の宿があり、夕刻、そこの座敷で納涼会第1部として、寄席が催された。出演は音曲師の柳家紫文と、女性2人組の三味線デュオ、東京ガールズ。
紫文師匠が披露した新内流しの三味線、この音色は、往年の芳町花柳界たるこの人形町の街中で聴くと、また一段と生々しさというか艶めかしさのようなものが増して、非常に眩惑的なものであった。自慢にならないが、私は映画の劇中以外で新内を聴くのは、これが初めてである。
納涼会第2部、これは「世界湯」近くの居酒屋「い」にて無礼講。主催者である美術店の店主、浜町・明治座筋向かいの「魚とら」主人夫妻、今は人形町の居酒屋を引き払い、房州・館山で骨董を営む「万華鏡」元主人、東京ガールズのリーダー・柳家小糸さん、板橋区立美術館館長など、様々なる人と歓談し、夜更け過ぎに解散す。
ことに、今開催されている曾我蕭白、中村芳中らの《諸国畸人伝》という展覧は、この美術館らしいコアな企画でありますし、11月から来年1月にかけて開催されるシュルレアリスムの《福沢一郎》展も必見でありましょう。