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この本の参加者の豪華さは相当なものだ。蓮實重彦によるコッポラへのインタビューや、万田邦敏と青山真治の対談、さらに藤子不二雄Aや村上龍などといったセレブ(死語?)まで書いている。映画の本というとやたらに分厚く重たい重量のものが出来がちで、読書途中で放り出したくなるものが少なくないが、それにしても珍しく薄い本だなというのが第一印象だ。おそらく上映劇場でパンフレットなどと並べて買ってもらうためには、これくらいの持ちやすさが的確だと判断されているのだろう。
青山真治は万田との本書対談の中で、中学3年の時に『地獄の黙示録』を見て映画監督になろうと決心したと語っているが、私はその気持ちを共有しうる人間だ。公開当時、あの作品を大人たちが随分批判していた記憶があるが、中学生の立場であれを見ると想像していただきたい。それが素晴らしい刺激とならなかったはずはないのである。
そんな中、私も本書の末席を汚し、『ランブルフィッシュ』(1983)『アウトサイダー』(1983)のフィルムレビューを担当させてもらったわけだれども、それにしても改めて見ると、この2本の映画もすごくいい。昨今は「泣ける」映画というものがヒットの条件なのだそうだが、泣くならこういう映画で泣くべきである。
版元の本書紹介サイト
http://www.esquire.co.jp/books/(サイト失効)