荻野洋一 映画等覚書ブログ

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横浜国立大学での前期講義を終了

2010-08-06 01:22:00 | 身辺雑記
 横浜国立大学での前期講義「映像論B」が終了した。最終日に前期試験をおこない、全日程終了となった。アメリカ映画や日本映画、ヌーヴェルヴァーグなど、映画史の基本中の基本を学んでいったが、学生諸君には、課題作としてミア・ハンセン=ラブの『あの夏の子供たち』についてなど、いろいろと批評も書いてもらった。毎年思うことだが、彼らには将来の活躍を心から祈る次第だ。毎年の講義履修者リストを保存してある。嗚呼、こんな人が私の授業を受けてくれていたなぁ、と後々思いたいからである。

 最終講義終了後は、いつものごとく梅本洋一教授と共にランチ。目黒・東山のイタリアン「O.A.」。今シーズンも横浜市内や東京都内で、さまざまなうまい昼食を共にした。しかしながら、梅本氏はかつてのようなリベロの立場では徐々になくなり、公人として上に立つ多忙さを引き受けざるを得ない立場になってきてしまった。
 氏とは、カルチェ・ラタンのレストランや、カイエの編集部のあった四谷、そして銀座、市谷、横浜、目黒など、数多くの場所で食事を共にしてきた。パリ12区バスティーユ近くの仏カイエ編集部打ち合わせで居合わせた際には、彼のネゴシエーション力、会話力の高さに本当に舌を巻いたものだ。まぁそのカイエも、現在ではかくのごとき体たらくとなってしまったが。

 今はとりあえず互いの睡眠不足を愚痴りながら、映画、演劇、批評、サッカーなどいろいろとしゃべる。彼がnobodyサイトに書いたつかこうへいの追悼文、微妙なところで世代の線が引かれているけれど、早大OBとして重なるものが多かった。私もほんの数十メートルの距離で息を吸っていたわけだから。私の在学中はもう、つかこうへいは早大構内で上演しなくなった頃だが、まだ、鈴木裕美、飯島早苗の「自転車キンクリート」は同じ映画サークルにいたし(当時4年生だった彼女たちの舞台制作には、1年生として駆り出されたものだ)、鴻上尚史の「第三舞台」も、高泉淳子、白井晃の「遊◎機械/全自動シアター」も、早大劇研の内部で結成された劇団は、まだ新入生勧誘をしていた時代である。
 この追悼文を読んでから、自宅に保管してあった『熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン』(1997 PARCO劇場)のNHKでの中継録画のビデオを再見。若き日の阿部寛のみずみずしい姿。しかしこの舞台はもう、ケイガイカそのもの、であるだろう、残念ながら。

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