ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

お洒落心は尊重するが・・・

2019-02-26 22:30:04 | 日記
いくつになってもお洒落心を忘れない
二人のおばあちゃんを紹介しよう。

一人は最近ちょくちょく登場しているミチコ。
ひどい記憶障害によって職員を振り回す
メモ魔のおばあちゃんだ。

彼女はズラである。
食堂に来るときも近くのコンビニに出かけるときも
必ずズラをきちんとかぶっている。

しかし部屋にいるときは脱いでいるらしく
こちらが薬の援助で訪ねると
大慌て!なのだろう。

チャイムを押すと、すかさず返事がある。
でも、なかなか出てこない。
「い、いま開けますので、ちょっと待ってください」
そう言っても、しばらく時間がかかる。

ようやく玄関を開けてくれたとき
私たちはいつも笑いをかみ殺すのにひと苦労。

ヅラが、ずれているのだ。

思いっきり斜めになっていたり
明らかに後ろ前だったり…。

彼女のプライドと女心を思って黙っているが
あのおかしなズラは
何回遭遇しても見慣れることがない。

もう一人はこの間入居してきたミドリ。
この人は実にきちんとしている。
そして、なかなかのお洒落さんだ。

80歳にして眉も唇もアートなので
素顔でもかなりお美しい。

しかし、残念なのは後頭部が寒々しいことである。

認知症になってから髪が抜けたのか
それ以前から薄いのかわからないが
ともかく、今のミドリは
自分の後頭部が昔で言う“アルシンド”になっていることに
気づいていないらしい。

だからこそだろう。
この間、訪問美容を利用してパーマをかけたい!
などと言ってきた。

髪が傷みますよ、とは言って差し上げたが
「私はいつもかけてるから」と言ってきかない。

仕方なく、訪問美容を呼んだ。

ところが終わってから見てみると
ほとんど変わっていない。
美容師さんも、かなり気を遣ったのだろう。

ミドリはいつまでパーマをかけ続けるのか
というか
ミドリの後頭部はいつまで戦い続けるのか。

お洒落心は尊重したいが
心配でならない。

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