ショボジイ

おっさんのことを、ブログと心の中で「ショボジイ」と呼んだ私。
それはあくまでも、陰口だった。

しかしきのう、おっさんが休みで家にいたので
しかも遊んでくれる人もいなくてずっと家にいたらしいので
元気づけてやるかとビールを買って帰った。

「お～い、ショボジイ、ビール買ってきてやったよ～！」
おっと、いけねえ。
つい、“ショボジイ”が口をついた。

ところが、おっさん…
「え、いま何て言った？」
「ショ、ショボジイって言った」
「いいなあ、そのショボジイっての、いいなあ」

悪口だったのに、本人はなぜか喜んでいる。

今日は会社の同僚にまで
「カミサンに“ショボジイ”って言われたよ」と
自慢げに話したという。

今夜は元気にご帰還。すこぶる機嫌がいい。
「お前に“ショボジイ”って言われて
なんか肩の力が抜けたよ。
無理して頑張らなくてもいいって気になれたよ」。

悪口だったんだけど…
陰口だったんだけど…

変に納得して、喜んでもらっても困るんだけどなあ。

まあ、弛緩することが下手な不器用男だから
「肩の力が抜ける」くらいの効果が“ショボジイ”にあったのなら
これからは憚ることなく“ショボジイ～～！！！”と呼ばせてもらうわ。