重症熱性血小板減少症候群(Severe fever with thrombocytopenia syndrome: SFTS)
なんじゃそら。
少し前に話題になっていましたが、日本でも数例死者が出たと言う感染症。
厚生労働省のHPの記述を転載しますと、
問:SFTSとはどのような病気ですか?
答:2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。主な症状は発熱と消化器症状で、重症化し、死亡することもあります。
・・・
問:SFTSウイルスにはどのようにして感染するのですか?
答:中国では、多くの場合、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染しています。
こ、こぇぇぇぇぇ!
なんでそんなに怖がっているのかと言うと、城旅スト(城巡りする人)は山野の中を駆け巡るため、こうしたものに出くわす可能性が高いからです。
と、いうか、数年前、私、マダニにやられているのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/b3/293b02ebbc53451477d25a84e6e9e890.jpg)
※出典 wiki
私の見た奴とwikiの画像では少し違います。
いきさつを話しますと・・・、
それは、私がまだ山林の本当の怖さを知らない時期のことでした。
それまでも熊野古道などは歩いておりまして、ある程度山道を歩いていたのですが、ダニになど遭ったことは幸い無かったのでございます。
それでも、山の得体の知れなさ、というものは経験したことはあったのです。
一度、織田信長が金ヶ崎の撤退の時に朽木谷を通過する際、松永弾正が朽木氏を説得に向かっているときに信長達が潜んでいた場所を見に行ったところ、気がつくと靴下が真っ赤な血に染まっていたのです。
静脈を蛭に噛まれたのでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/99/88317e5a27f6d9ce654bcdcc235a67c6.jpg)
ヒル 出典:wiki
蛭は血を固めないようにする成分を出すため、血が止まりません。
私の血を吸って満足した蛭が、靴の中に居ましたので仇はとったのですが、その後の温泉では血が止まらず流血しながら体を洗う羽目になりました。
泉鏡花の「高野聖」で、蛭に襲われるくだりを読んだ際、身の毛がよだつ思いがしたのは、やはり自身の経験があったからか。よくスキーで行く「ひるがの高原」が「蛭ヶ野」という意味だということを再認識させられる。
そんなことで、城歩き(一般には山歩き)は舐めてはいかん、と、思ってはおりました。
そんな私ではあったのですが、どこかに油断があったのでしょう。
新城市の長篠城から武田勝頼の本陣跡(医王寺城)へ歩きに行った後のことでした。
たまたま夜、ちょっと車にものを取りに行くため、丁度出ていた城用のトレッキングシューズを素足で履いて外へ出たのでした。
その時、なんとなし、左足の親指と人差し指の間にちくりと痛みを覚えたのですが、すぐに痛みが消えたので忘れてしまいました。
ところが、そのうちにやっぱり痛みがでる、感覚としては「トゲが刺さった」ような感じ。
それも、結構大きなトゲが。
この痛み、痛いときと痛くないときが結構はっきり分かれまして、痛くないときのほうが多い。
不思議なトゲもあるもんだ、と、思いながら仕事してました。
しかし、どうにも夜になって痛むので、場所を触ったところ・・・。
変なぶよぶよとした、それでいて毛が生えているような感覚が。
動悸が激しくなり、ひどく動揺したことは覚えております。
なんか変なできものができているのか?
と、思ったのですが、どうにも「生き物のよう・・・。」という嫌な予感が。
勇気をだして足を見てみると、そこには地球外生命体のような、気持ちの悪い生き物が付いているではないですか!
地球外生命体を見たことは無いのですけど。
ただ、そのときは、既に30代の後半に差し掛かっておりましたが、年甲斐も無く真剣に地球外の変な生き物ではないか、と、思ったことを覚えています。
だって、足がえらいこと沢山あって、胴体が膨れてて、なぜか離れないのです。
しかし、トゲではないことは確認できました。
が、これは放置しておくとえらいことになるのではないか。
どうえらいことになるのかは全くわからないのですが、とにかく、自分の体から引き剥がす必要があるのではないか。そう直感的に感じて、気がつけば引っぱっておりました。
すぐ取れるだろう。
やはり30代の半ばまで、都会で虫などもあまり見ることなく育ってきた人間の甘さです。
これが取れない。
取れないどころか、猛烈に痛い。
なんていうのでしょうか、肉をむしりとる様な痛さなのです。
『刺さっているだけだろう。その刺しているのが痛いだけで、なぜ、なぜ、こんなに痛いのだ。』
しかし、自分の経験則からトゲを抜くときと言うのは、多少痛くても我慢しないと取れずにいつまでも苦しむ、というのがあったので、肉も削げよと思い切り引っぱったところ。
ぶち、っという感触がありました。
手に持った物体を見ると、やはり気持ち悪い。
すぐに靴で踏みつける。
ところが、痛みは全く引かないどころか、かえって痛い。
歩くときに力が入る場所なので、歩くたびに痛みが走る。
医者には滅多なことではいかないのですが、珍しく医者に行きました。
なぜか直感的に皮膚科へ。
皮膚科でトゲに刺されたこと、地球外生命体のようなものが付いていたこと、痛みがひどいことを申告したところ。
先生は、すぐに思い当たる節があったよいうで、図鑑を取り出してきました。
「これじゃないですか?」
と、指をさすところには、まさしく私が見た地球外生命体が!
「マダニです。」
先生は地球外生命体の名前を教えてくれました。
いや、この時点で地球外生命体ではなかったことが判明したわけですが。
ダニ、と、いってもハウスダストの原因となるダニとは別の奴だそうです。
「どこか山道を歩きませんでしたか?」
すぐに医王寺へ行く道を思い出して申告すると
「そうでしょう。そうした山道に多く生息しています。これに噛まれたら無理やり取ると口が残ってしまうのです。そうなると、放置して自然に排出されるのを待つのみです。」
なんと、私の足の中には口が残ってしまっていたのでした。
そして、その口は、一旦刺すとコンクリみたいな成分を出してがっちり固まり、ちゅーちゅーと宿主の血を吸い続けてぶよぶよとし続けるわけです。
「先生、これ、かなり痛いのですが、なんとかなりませんか?」
と、聞くと、
「相当痛いですか?方法はあるのですが、そこを麻酔して冷却して、肉ごとくり貫く、ということになります。その痛みも結構なものですが。」
と、さらっと言われた後、
「どうします?」
と、聞かれたので、
「我慢します。」
と、即答しました。
1ヶ月ほどは痛かったのですが、いつしか痛みがなくなっていることに気がつきました。
たまたま当時の職場には森林業務に従事したことがある方が見えて詳しく教えてもらいましたが、とにかくマダニや蛭はどこからともなく侵入して食いついてくるので、帽子長袖長ズボンは当たり前。長靴は足がゲートルのようなものか、マジックテープなどでしっかりと口が閉まるもの。そして首にはタオルを巻いて侵入を防ぐようにしていたとか。
最初の頃は、その方も背中にマダニが食いついていたことがあったようで、そのときは医者で取ってもらったそうです。
ただ、最近まで、マダニは痛い、という程度の認識だったのですが、マダニで死者が出た、との記事を見て驚いて調べてみると、「つつがなきや」の語源ともなった「ツツガムシ病」(ツツガムシ病などに感染しておらず元気ですか?、というのが『つつがなきや』の語源だそうです。)もダニから来る病気だとか。
結構病原菌を持っているので、要注意な生き物だそうです。
そういうことを知るにつれ、城はやっぱり冬が一番だなぁ、と、思う次第です。
そんなわけで、最近の私は城に行く際、ファッション性よりも機能性を重視しております。
結局、山で作業している人達の装備が一番優れているのだな、と、改めて感じる次第です。
これからの季節、城へ行かれる方は十分にご注意を。
なんじゃそら。
少し前に話題になっていましたが、日本でも数例死者が出たと言う感染症。
厚生労働省のHPの記述を転載しますと、
問:SFTSとはどのような病気ですか?
答:2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。主な症状は発熱と消化器症状で、重症化し、死亡することもあります。
・・・
問:SFTSウイルスにはどのようにして感染するのですか?
答:中国では、多くの場合、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染しています。
こ、こぇぇぇぇぇ!
なんでそんなに怖がっているのかと言うと、城旅スト(城巡りする人)は山野の中を駆け巡るため、こうしたものに出くわす可能性が高いからです。
と、いうか、数年前、私、マダニにやられているのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/b3/293b02ebbc53451477d25a84e6e9e890.jpg)
※出典 wiki
私の見た奴とwikiの画像では少し違います。
いきさつを話しますと・・・、
それは、私がまだ山林の本当の怖さを知らない時期のことでした。
それまでも熊野古道などは歩いておりまして、ある程度山道を歩いていたのですが、ダニになど遭ったことは幸い無かったのでございます。
それでも、山の得体の知れなさ、というものは経験したことはあったのです。
一度、織田信長が金ヶ崎の撤退の時に朽木谷を通過する際、松永弾正が朽木氏を説得に向かっているときに信長達が潜んでいた場所を見に行ったところ、気がつくと靴下が真っ赤な血に染まっていたのです。
静脈を蛭に噛まれたのでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/99/88317e5a27f6d9ce654bcdcc235a67c6.jpg)
ヒル 出典:wiki
蛭は血を固めないようにする成分を出すため、血が止まりません。
私の血を吸って満足した蛭が、靴の中に居ましたので仇はとったのですが、その後の温泉では血が止まらず流血しながら体を洗う羽目になりました。
泉鏡花の「高野聖」で、蛭に襲われるくだりを読んだ際、身の毛がよだつ思いがしたのは、やはり自身の経験があったからか。よくスキーで行く「ひるがの高原」が「蛭ヶ野」という意味だということを再認識させられる。
そんなことで、城歩き(一般には山歩き)は舐めてはいかん、と、思ってはおりました。
そんな私ではあったのですが、どこかに油断があったのでしょう。
新城市の長篠城から武田勝頼の本陣跡(医王寺城)へ歩きに行った後のことでした。
たまたま夜、ちょっと車にものを取りに行くため、丁度出ていた城用のトレッキングシューズを素足で履いて外へ出たのでした。
その時、なんとなし、左足の親指と人差し指の間にちくりと痛みを覚えたのですが、すぐに痛みが消えたので忘れてしまいました。
ところが、そのうちにやっぱり痛みがでる、感覚としては「トゲが刺さった」ような感じ。
それも、結構大きなトゲが。
この痛み、痛いときと痛くないときが結構はっきり分かれまして、痛くないときのほうが多い。
不思議なトゲもあるもんだ、と、思いながら仕事してました。
しかし、どうにも夜になって痛むので、場所を触ったところ・・・。
変なぶよぶよとした、それでいて毛が生えているような感覚が。
動悸が激しくなり、ひどく動揺したことは覚えております。
なんか変なできものができているのか?
と、思ったのですが、どうにも「生き物のよう・・・。」という嫌な予感が。
勇気をだして足を見てみると、そこには地球外生命体のような、気持ちの悪い生き物が付いているではないですか!
地球外生命体を見たことは無いのですけど。
ただ、そのときは、既に30代の後半に差し掛かっておりましたが、年甲斐も無く真剣に地球外の変な生き物ではないか、と、思ったことを覚えています。
だって、足がえらいこと沢山あって、胴体が膨れてて、なぜか離れないのです。
しかし、トゲではないことは確認できました。
が、これは放置しておくとえらいことになるのではないか。
どうえらいことになるのかは全くわからないのですが、とにかく、自分の体から引き剥がす必要があるのではないか。そう直感的に感じて、気がつけば引っぱっておりました。
すぐ取れるだろう。
やはり30代の半ばまで、都会で虫などもあまり見ることなく育ってきた人間の甘さです。
これが取れない。
取れないどころか、猛烈に痛い。
なんていうのでしょうか、肉をむしりとる様な痛さなのです。
『刺さっているだけだろう。その刺しているのが痛いだけで、なぜ、なぜ、こんなに痛いのだ。』
しかし、自分の経験則からトゲを抜くときと言うのは、多少痛くても我慢しないと取れずにいつまでも苦しむ、というのがあったので、肉も削げよと思い切り引っぱったところ。
ぶち、っという感触がありました。
手に持った物体を見ると、やはり気持ち悪い。
すぐに靴で踏みつける。
ところが、痛みは全く引かないどころか、かえって痛い。
歩くときに力が入る場所なので、歩くたびに痛みが走る。
医者には滅多なことではいかないのですが、珍しく医者に行きました。
なぜか直感的に皮膚科へ。
皮膚科でトゲに刺されたこと、地球外生命体のようなものが付いていたこと、痛みがひどいことを申告したところ。
先生は、すぐに思い当たる節があったよいうで、図鑑を取り出してきました。
「これじゃないですか?」
と、指をさすところには、まさしく私が見た地球外生命体が!
「マダニです。」
先生は地球外生命体の名前を教えてくれました。
いや、この時点で地球外生命体ではなかったことが判明したわけですが。
ダニ、と、いってもハウスダストの原因となるダニとは別の奴だそうです。
「どこか山道を歩きませんでしたか?」
すぐに医王寺へ行く道を思い出して申告すると
「そうでしょう。そうした山道に多く生息しています。これに噛まれたら無理やり取ると口が残ってしまうのです。そうなると、放置して自然に排出されるのを待つのみです。」
なんと、私の足の中には口が残ってしまっていたのでした。
そして、その口は、一旦刺すとコンクリみたいな成分を出してがっちり固まり、ちゅーちゅーと宿主の血を吸い続けてぶよぶよとし続けるわけです。
「先生、これ、かなり痛いのですが、なんとかなりませんか?」
と、聞くと、
「相当痛いですか?方法はあるのですが、そこを麻酔して冷却して、肉ごとくり貫く、ということになります。その痛みも結構なものですが。」
と、さらっと言われた後、
「どうします?」
と、聞かれたので、
「我慢します。」
と、即答しました。
1ヶ月ほどは痛かったのですが、いつしか痛みがなくなっていることに気がつきました。
たまたま当時の職場には森林業務に従事したことがある方が見えて詳しく教えてもらいましたが、とにかくマダニや蛭はどこからともなく侵入して食いついてくるので、帽子長袖長ズボンは当たり前。長靴は足がゲートルのようなものか、マジックテープなどでしっかりと口が閉まるもの。そして首にはタオルを巻いて侵入を防ぐようにしていたとか。
最初の頃は、その方も背中にマダニが食いついていたことがあったようで、そのときは医者で取ってもらったそうです。
ただ、最近まで、マダニは痛い、という程度の認識だったのですが、マダニで死者が出た、との記事を見て驚いて調べてみると、「つつがなきや」の語源ともなった「ツツガムシ病」(ツツガムシ病などに感染しておらず元気ですか?、というのが『つつがなきや』の語源だそうです。)もダニから来る病気だとか。
結構病原菌を持っているので、要注意な生き物だそうです。
そういうことを知るにつれ、城はやっぱり冬が一番だなぁ、と、思う次第です。
そんなわけで、最近の私は城に行く際、ファッション性よりも機能性を重視しております。
結局、山で作業している人達の装備が一番優れているのだな、と、改めて感じる次第です。
これからの季節、城へ行かれる方は十分にご注意を。