
昨夜、何日ぶりかで散歩に出た。約7キロ、1万歩、快調。冬の夜空は「オリオン生命(いのち)」と、いつものように開田に出ると一呼吸を兼ねて中天を仰ぐ。「冬の大三角」、「冬のダイヤモンド」を確認して、それからはもう振り返らずに北に向かって歩き出す。
1キロほども進むと、今度は行く手の道路の両側、深い闇をつくる杉林の丁度その間に、大きな北斗七星が立ち上がるようにして見えてきた。季節が進めば星座はもっと北の空の高い場所に移って、やがてその後を追ってわが牛飼座の主星、アルクトゥールスも少し疲れたような赤い色を見せ現れるようになる。
夜空も星々が、季節の移ろいを深い感慨を味あわせつつ伝えてくれる。まだ2月も前半だというのに、さんざん世話になった冬の星々に心咎めつつも、次の季節の到来を早くも気にするようになってきた。
いつもの街の灯が見え始めた少し登りになった坂道で、ポケットの中の電話が鳴った。Oさんだった。そのまま、四方山話を続けながら歩いた。話の内容はさておき、時にはああやって人と会話しながら歩くのもなかなかいいものだと思った。氏も、雪の入笠へ趣味の写真を撮りに来たいと言っていた。
このごろは、夜も遅くに墓地を巡ったり、古城へ行くことは、異常者と間違えられてはいけないと控えるようにした。人と出会わないような上手い畑中にできた舗装路を見付けたので、そこを歩くようにしている。順路もほぼ定まって、最後はやはり天竜川の土手を川音を聞きながら帰ってくる。
散歩と言えば、TDS君は連日の歩きが祟って、気の毒に膝を痛めたという。それでお節介を承知で知ったかぶりをしたのだが、それは靴についてだ。登山と同じく、靴の選択はおろそかにはできないという持論である。たまさかの登山どころか、ほぼ毎日のようにかなりの距離を歩くのだからそれに相応しい靴を選らばなければ、すぐ、膝や足首などを故障する。牧場でも14年間、極力ゴム長靴は避け、登山靴乃至はそれに準じた靴を履いてきた。
だから夜の散歩でも軽い山靴を履いている。「そんな靴履いて歩いている人はいねえぜ」と彼は言うが、確かにそうだろう。しかし、折角の健康維持のための運動もどきで、歩行に支障をきたすようになっては元も子もない。
平坦な道を歩数ばかり意識して歩くより、起伏のある道の方が運動効果が高いし、そのためには底の薄い、衝撃を吸収できない靴は避けた方がいいという理屈になるのだ。また、足首の保護のためには、特に下りでは、深い山靴の方が安定するから、捻挫などを避けることができる。
放牧頭数がもっと多かったころは、2万歩以上歩くことが連日のように続いた。そのお陰で、毎夜の散歩を楽しめているのだと思って、あの起伏の多い牧場に感謝している。
昨日は投稿が遅れてしまいました。本日はこの辺で。