
山の朝はいつも早く、今朝は5時半起床。そして現在6時半、ようやく日が昇る。昨日脱柵したホルス5頭は、囲い罠の中ですっかり落ち着いた様子で熱心に草を食べている。見慣れた風景でも、気が落ち着く。
それにしてもあの牛たち、一体どこから逃げてあんな場所へ行ったのだろう。1頭だけでなかったからそれで行動範囲が広がってしまったのだと思うが、もしかすれば脱柵してから1日以上が経過していたかも知れない。それで途方に暮れた牛たちが、撮影関係者の声を聞いて近付いてきたということは充分に考えられる。
こんなことを呟くと、牛守として最低限やらなければならない日々の頭数確認を怠っているように思われるが、実はそうだ。あの種牛のせいでなかなか思うようにできず、2群に割れた牛たちの管理は牧草も少なくなってきただけに頭が痛い。一昨日久しぶりに来た畜産課長と打ち合わせ、一応下牧を今月の26日と決めたものの、車の手配などで実際に牛がいなくなるのは10月1日までかかる。
確かに、牛のことなどよりかきょうも行われている撮影が気になる人はいるいると思う。もっと呟けと、あのうるさい先輩さまも仰っている。別にもったいぶっているわけではないが、この手の仕事には守秘義務の縛りがあるから、この段階であまり話題にできるようなことはないというのが実情である。とにかくあまり派手さのない、やたら時間のかかる、肉体労働の多い仕事だと、たまに近くで見ていて感ずる。演じさせる方も、演じる方も、根気がなければできない大変な共同作業だ。
きょうは3連休の初日でもあり、キャンプの予約がかなり入っている。本来の仕事である牛のこと、そして早朝からの撮影、長い1日になりそうだ。有難いのはきょうの好天。
今また予約の電話が入った。受けるのも、さりとて断るのも、簡単ではない。テントは大型化し、快適さを求めるキャンプのやり方は大分変ったと痛感している。
今週末は予約が幾つも入っているのに次の週末はまだ1件もなく、月齢や紅葉のことを考えれば、21日からの3連休も"おいしい"と思います。よろしかったら計画を練ってみてください。
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