入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’19年「秋」 (7)

2019年09月09日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 台風15号の通過に伴い首都圏の交通網には大きな影響が出たようだ。各地の被害状況などのについては報じられる前に家を出たため分からないが、信州は台風進路の左側に位置していたため、県下にそれほど大きな被害はなかったと思う。牧場の牛たちについても、昨夜の雨を心配したが大事はなかった。

 昨日のこと、第1牧区の奥で作業をしていると、電話がかかってきた。牛が脱柵しているという。知らせてくれたのはマナスル山荘天文館(旧名新館)の山本氏で、登山者から知らされたという。急いで軽トラを停めてあった場所まで戻り、第1牧区を走り抜けたところで第2報が届いた。現場に駆けつけてくれた氏によれば、脱柵牛は中腹の登山路近くにいて、104番だということだった。それでひとまず安堵した。もし脱柵が種牛だったら、相当面倒なことになる。
 牛を第4のBに出してから、放牧地は登山道に近く脱柵はずっと案じていたことで、種牛ではなかったが、それが現実になってしまった。10分ほどで登山口に到着。それまでの間に、用意するものを頭の中で整理し、クマスプレーも念のために持って行くことにした。
 日曜日で天気も良かったから登山者はかなりいた。2回くらい下ってきた人に声をかけたが、脱柵牛のことは知っていたものの、あまり意に介しているふうはなくて助かった。まあ、牛は大人しいというのが一般の受け取り方だろう。
 ホルスの104番はクマササの中にいた。山本氏と、彼の山荘で手伝いをしている若者が見張ってくれていた。どうやら様子からは牛は脱柵しようとしたのではなく、柵の外の草を食べているうちに身体が出てしまった可能性が高かった。3本有刺鉄線を切り柵を開け、それほど苦労せずに追い戻すことができた。
 ところがその後、まだ柵を閉じ終わらないうちにあの種牛がやって来て、またいつもの威嚇の踊りを始めてくれた。前足で土を蹴り、頭を地面こすりつける得意の仕草だ。そしてぎょろ目だけはこちらに向いている。その得意気なふうに、ついに、クマスプレーを1発見舞ってやった。すると、意外や意外、巨体は呆気ないほど気弱そうなうしろ姿を見せて、遠くまで逃げていった。「飛び道具は卑怯だぞ」と言ったかも知れない。
 
 種牛マッキーよ、おまえはゆめゆめ人を脅かしたり、襲おうなどとしてはいけない。それが身のためだ。今のままではハーレムも、職も、命まで失う。あの1発でそれが分かればいいのだが、ン?

 末広さん、ハイ、そうさせてもらってます。

 営業案内 「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」およびその(2)です。下線部をクリックしてご覧の上、どうぞご利用ください。

 

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