台風一過とはいかず、すっきりとしない天気の中を上に来た。途中、小豆坂トンネルを抜けてすぐ、目に飛び込んできた山室川の水量の多さに驚いた。流れ下る間に枝沢からの谷水も集め増水したのだろう、濁流となって、場所によっては氾濫しそうなほどの勢いで流れていた。いつもなら渓相を美しく見せている岩の殆どが、駆け下る土色の水流に呑まれ、見えなかったほどだ。
心配していた倒木は、林道を塞ぐほどのことはなかった。それでも、所によって道路の上に落ちた枝や、散った落葉が思いのほか多く、また、芝平を過ぎてからの未舗装の続く山道は、案の定そこを川同然のようにして流れた雨によって掘られたり、削れられたりして、これからまだ1ヶ月近くある通勤のことを思うと、気が滅入った。
「池の平」の少し手前のちょっとした森には、落葉松の他に白樺やブナなどの落葉樹が残っていて、ここまで上ってくると一息つく代わりにそれらの木々を眺めながら、季節の移り変わりをあらためて感じたり、確かめたりすることが半ば習慣のようになっている。
今朝はカエデやモミジの紅葉が特に目立って見えた。台風に連れ去られてしまったかと案じていた季節がまだ残っていたわけだが、その中でも、柔らかなオレンジ色をした控え目なモミジの葉の色が、赤や黄色よりも却って目を惹いた。まだ紅葉は続いていた。これからもまだ期待できそうで、普段は目立たない緑や黄色の葉が、意外とたくさんあるのに驚いた。
管理棟も小屋も台風の被害はなかった。それでも、周囲から流れ込む水が道路に溢れたり、一部には溜まっていたりしていて、その上きょうばかりは枯れ沢もいっぱしの沢になって、大量の水を集め、奔放な水の流れを下流へと送っていた。
これからの季節は時代遅れの山小屋がオススメ。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」と「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。