入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’17年「夏」 (11)

2017年07月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


「H君、このまま進むと釜無川に下ってしまうのではないの」
「うーん、どうですかね」と、iPadをのぞき込む彼もあまり当てにならない。

 一昨日のこと。前から気になっていた専用林道が釜無山の近くにあったが、そこに入るためには施錠されたゲートを開けてもらわなければならず、その機会はなかなか訪れなかった。一計を案じて、この林道の調査を合同でやらないかと町役場のH君に持ち掛けると、彼も釜無周辺の山域には強い関心があり、快諾してくれた。林道の管理は何故か森林管理署ではなく、富士見町であった。
 で、冒頭のような会話になったたのだが、結局、引き返すことにした。ただ誤ったとはいえ、この林道に入ったことは無駄ではなかった。南アルプスの眺望は、期待を遥かに超えていたからだ。
 釜無川が造った広く、深い谷の奥に見えてる甲斐駒の山頂には雲がからみ、荒々しい崩落の爪痕が釜無川の源頭となってその胸元にまで迫っていた。またその右手の奥には、わずかに雪田を残した仙丈岳が悠然とした姿を見せていたが、たおやかなる山々の連なりはそこで終わっていた。
 また、鋸岳、甲斐駒、仙丈を浮かべるように見せている原生林の美しさは、格別だった。多くはダケカンバとシラビソだろうが、落葉松の人工林ばかりを見慣れていた目には、忘れかけていた懐かしい風景だった。
 実は、H君まで誘って小黒川に至る専用林道を行こうとしたのも、南アルプス北端の、この深い原生林を見ることが目的だった、と言ってもよかった。後で分かったことだが、この山域は国有林ではなくて富士見町の町有林で、それでゲートの管理も当然に富士見町、ということで納得した。(つづく)

 写真は逆光で残念ながら諦めた。道はよく管理されていたから歩く分には問題なさそうだったが、ただし、専用林道であって、登山道ではない。これについては明日、もう少し書く。
 きょうは午後からテレビ番組の撮影。

 8月中は、キャンプの場合も、予約をお願い致します。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。


 
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