入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’17年「夏」 (7)

2017年07月15日 | 入笠牧場からの星空

 アンタレス周辺          Photo by かんと氏

 こんな天体写真を目にして、人は何を思うのだろうか。ついこの間、NHKの女性アナウンサーは、この広大無辺の畏るべき深淵・宇宙を、「憧れの宇宙」と言っていたが、宇宙は憧れであるだろうか。
 もう話の脈略を覚えていないが、それにしても宇宙をどんなふうにとらえれば「憧れ」などといった言葉が出てくるのかと不思議に思った。地球は奇跡の惑星であり、将来行くことが可能になるかも知れないいかなる星よりも、人間にとってのその環境的適正、美しさを超える場所はない、そう断言したい。だから、その地球を差し置いて、あたかもより素晴らしい世界がれわれを待っているかのような言い方には、違和感を覚えた。
 恐らく、科学の進歩により、やがて人類は未知なる宇宙へと乗り出していく、そういう未来の人や、科学への楽観もしくは肯定的な気持ちからつい、そういう言葉を使ったのだろう。
 
 もう6時を過ぎたというのに、つまらないところで難破してしまったボロ船のよう。(7月14日記)

 天文学には宇宙論という分野があって、それは宇宙の誕生からその終わりまでを研究する学問らしい。扱う領域の大きさから、また時間的な長さにおいて、これを超える学問はないだろう。いや、「大きさのない1点」とか「10のマイナスX乗秒」などという言葉も出てくるから最早、最小の単位を扱う学問でもあるようだ。
 題名に惹かれて、そういうごく初歩的な本を手にしても、歩くしかなかった洞穴の住人がいきなりとんでもない高速の乗り物にでも載せられたような驚きと、恐怖を感ずることになる。138億年と言われる宇宙の歴史ですら、まだ始まったばかりだとか、その未来は億年どころか兆年でも足りないとか・・・。荒唐無稽、奇想天外などという言葉しか浮かんでこない。
 そのせいでか、かんとさんのこれほど美しい天体写真を見る目が、少し歪んできた。宇宙は憧れであってよいのかも知れない。

 8月につきましては、キャンプの場合も、できるだけ予約をお願い致します。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする