入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’17年「初夏」 (30)

2017年07月04日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうの牛たちはさっきから全頭が立ち止まり、動きを止め、何かをじっと考え込むように虚空を眺めている。何を思うのか知らないが、笑いたくなるくらい牛たちは考え深げだ。
 それにしても、本当にどうしたのだろう。濡れた草の味でもおかしかったのか、よりによって一斉に深刻そうな様子をして黙考しているのが気になる。
 
 権兵衛山の右半分が姿を現し、しきりと霧が湧き左側に流れていく。頂上も、電波塔も、見え始めた。降り続けた雨も、一服を決めたようだ。
 午前中は、昨日やり残した分の倒木の皮むきをして、その後は第4の電気牧柵の下草刈りをした。中腰で草を刈らなければならない所ではいつもながらの性悪のコナシの枝にイラつき、なじり、罵声を浴びせた。野生化がまた進んだかも知れない。一気に済ませてしまおうとしたが、生憎小入笠の中腹で燃料が尽きた。


          
 昼を済ませたら、頭は嫌なのだが身体が草刈りを強いた。仕方なく、今度はついでに電気牧柵の補修もできるようにして、小入笠の頭まで登り、そこから下に向かって刈ることにした。
 鹿も学習していた。これまでと違い小入笠の頭は、心配していたような鹿による電気牧柵の被害はなかった。これで、囲い罠の中の牛たちを広い第4牧区に出すことができる。
 終わりがようやく見えてきた所で、何だか様子がおかしいと草刈り機のエンジンを低速にしフードを外したら、すでに空襲が始まっていた。雷電様だった。入笠の雷はなかなかのもので、「牧場管理人、雷に打たれて落命」なんて新聞記事の見出しを頭に浮かべながら、それでも無事に刈り切った。

 Ume殿、そんなわけできょうもあの道を雨の中、安堵と満足感を味わいつつ帰ることができます。

 雨の森も悪くない。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする