スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

第2回ニクラス、アレンジレッスン

2006-11-10 23:54:16 | 授業 楽器
第1回目は泣きそうになった(10/20)ので数日前からかなりブルー。
でも、結果から先に言うと、今回は大丈夫だった!

言葉でも文化でもそうだけど、初めての時は”ファースト”ショック(と、私が勝手に呼んでいる)があり、そのショックを一度でも感じた後は免疫?というのか、何がそんなにショックだったんだろう?とまで思えてきてしまう。(あんまり「泣きそう」と言うと誤解を招くかもしれないけど、ニクラス先生はとっても優しくて、いい人)

ディッテによるアドリブの授業やステージトレーニングで人前で感情表現する練習などした後だったから余計に、アレンジ(一種の表現)に対する抵抗が少なくなったこともあると思う。

今日の授業は、宿題になっていた、「モダルミュージックでマイナー調の曲を選び、コードとriffを付け譜面におこす」というもの。
―午前中は、一人ずつ用意してきたものを演奏し、「何のkey(調)の曲か、何のコードを使っているか、別のコードの可能性」についてみんなで話しあう。
―午後からはハーモニスク(和声)の授業。
こちらはとっても入門編(トニック、サブドミナント、ドミナント)のお話。
―休憩を挟んでそれぞれCDを持参するように言われる(みんな学校に住んでるからすぐにとってこれる)。色んな曲のアレンジをみんなでしばし聞く。
―最後に、二人一組になりもう一曲、コードをつける。でも今度はいたってシンプル。
トニック、サブドミナント、ドミナントの3つのコードのみ使うというルール。

ありがたいことに、授業後30分、私ともう一人アメリカ人のために英語で軽くレヴューもしてくれる。その時に私の不安もぶつけてみた。

私はピアノ歴が一番長く、「弾く」ことはお風呂に入るくらいの感覚で、実家を出る日まで毎日の日課だった。だからピアノだったら考えなくても、理屈抜きで指が勝手にコードを弾いてくれる。こんな響きが欲しいな、と思ったらその和音を考えずに指が押えてくれる。でも、バイオリンやニッケルハルパになると、とたんに必死に音楽理論のルールを頭で考えて考えて考えて、コードを探すのにかなりの苦労。

私がよほどトロいのだろうと思ったけど、ニクラスによるとそういう問題は往々にしてあるらしい。半分、親切心でそう言っているんだろうけど。
「一番慣れ親しんだ楽器の音色を体や指が覚えているから、音色や弾き方が異なると頭の変換作業にとまどう」ということ。「この授業が進んでいくうちに問題じゃなくなるから。そのためのレッスンなんだから心配しなくていいよ」とニクラス先生。

そして、ピアノからニッケルハルパにもちかえたプレーヤー対象の授業も先でやる、と。一体どういうことなのかピンとこないけど。まあ、いいや。先で分かるのなら今は深く追求すまい。(←これ、私の最近のやり方。言葉や文化が違う日々の生活では、流れに身をまかせたほうが何かとストレスをやりすごせる)

いずれにしても、この頭で考えて苦労するのが、はじめに書いた”ファースト”ショックの長いバージョンだったらいいな。
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おススメCD -ニッケルハルパ

2006-11-10 16:09:07 | おススメCD~Swedish folk
Slatta 2006
トラッド度合 ★★★
アレンジ度合 ★☆☆

前回も紹介したDaniel Petersson(ニッケルハルパ)、Daniel Fredriksson(マンドーラ)のコンビに加え、トマス・アンデション(バイオリン)、マリア・ヨンソン(ヴィオラ・ダ・モーレ)の4人で、ヴェステルボッテン地方(Västerbotten)の曲を弾きます。日本でもフランス輸入版のCDでDanielとMariaは組んでいましたが、ここでまた再び。

とってもGoodです!
地方限定で曲を紹介するCDは控えめで保守的なものが多いですが、このCDは一味違います!何せ、若手中心で弾いてますから!マンドーラとヴィオラ・ダ・モーレが加わっている時点で伝統派だけでなく、アレンジ派も、どちらの趣味の人にも聞き応え十分。

ヴィオラ・ダ・モーレ:バロック時代の楽器とは異なり、スウェーデンフォークで用いられる改造型。バイオリンとビオラの音域を持ち、共鳴弦がある。

ちなみに、このCDジャケットの美しい写真、撮影者は日本人です。

************************
★の意味

独断と偏見でどちらの色が濃いか、★を使って3段階表示しました。

トラッド度合
素晴らしいテクニックや、マニアックな曲など、好きな人にたまらないですが、トラッド色が濃くなると興味のない人には退屈かもしれません。

アレンジ度合
アーティストとしてアレンジもカッコよく、独自の作品を作り上げています。
本来のトラッドの姿からは結果、遠くなります。
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ニッケルハルパ・歴史の授業

2006-11-10 16:03:25 | 授業 その他
今日の先生はウロフ。午前中は演奏の授業。
午後からはニッケルハルパの歴史について。
なぜか年代は、現代から。(現代、1900年代、1800年代、とだんだんさかのぼる)
写真は、年表の一部。字が小さくて読むのに一苦労。
歴史の授業になると、みんな床に寝っ転がって話を聞いてるんだけど、先生は190cmを越す身長なので、見上げる感じ。
授業の内容は、楽器についてと、加えてプレーヤーについての歴史。(内容は膨大すぎるのでここでは書きません)
その後、図書館へ移動して、展示してあるムーラハルパ(moraharpa)、シルベルバスハルパ(silverbasharpa)やコントラバスハルパ(kontrabasharpa)などを用いて具体的に種別や機能の説明。
(図書館の写真は、9/29の記事にあり)
1700年代-は来週の予定。

そして授業が終わった頃、突然知ってしまった。
今日はTobotorsdagの日。(月に1-2回、木曜日にある音楽イベント)
しかも今日演奏するのは私たちだって。全く知らなかった。言葉が分からないって、なんと恐るべし!
でも、とってもいい感じで演奏できた。みんなリラックスして楽しんで弾けた感じ。ダンスコースの人が合わせて踊ってくれるのでさらにいい感じ。
1時間のコンサートの後は、恒例、お客さんも楽器を持ってきていてみんなでダンス&演奏。
でも、その頃には、だんだん時計を見ながら、落ち着かなくなってきてしまった。というのも、明日はニクラスの授業。宿題してないんだよなぁ。
宿題は、モダル音楽でマイナー調の曲を選び、モダル・コードを付け(これは授業中に発表しないといけない)、メロディを譜面におこすというもの。
前回の授業(10/20)を思い出すと結構、気が滅入ってくる…。
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