スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

グリーン・ムーブメント以前の録音

2006-11-23 23:26:08 | 授業 楽器
ニクラスのハードな授業から一夜明けて、今日もハードなウロフの授業。
何がハードかというと、ウロフの場合、適当にごまかして弾いたりできないのだ。練習してきてと言われてしなかったらすぐにバレちゃう。手抜きは禁物。疲れている時にはちょっとしんどい。

今日の内容
、Oktobervalsen(ワルツ)のスウィング・ボーイング。
前にも書いたように「ブンチャッチャッ」ではなく「ぶん、ぶん、ぶん」。重たくドライブをきかせて。
、Polska efter Schedin(無印のCDに入ってるやつ)
少人数で3パートに分かれて弾く練習の続きで、今日は自分たちの演奏を録音して聞く。音のバランス、リズム、ダイナミクスなど一つずつ確認し、数人で弾く場合に一人ずつがどう機能すべきかという一種の耳の練習。録音を確認して話し合った後、再び録音し再確認。
録音機器は、日本製品を信頼してか、ウロフは私のMDウォークマンを選んだ。でも録音を聞いてみてウロフがこれじゃダメだって。録音がオートで調整されてしまって平坦に聞こえる、と。「聞いて分かる?」と言われても、なんの、こっちゃ!これしか使ってない私には分からない。
ともかく、ダメだしを受けて日本製品すごすごと撤退。で、別のクラスメートのMDウォークマンでテイク・ツー。こっちを聞いてみると、私の弾くベース音がさっきより大きく聞こえる。ははぁん。これのことか。聞き比べて納得。
私はオクターブハルパでベースをしていて、3割増しのサイズなので左手の指をパーッと開いて弾かないといけない。そして、ウロフに、後半で16部音符が続いた後の2拍目が遅れていると指摘される。
うーん…。ううむ…。こんな風にパーッとやって、指をパタパタするとね、関節はずれそうになるんだってば。
、ダーラナ地方のウッシャ(orsa/みんなは”ウッシャ”、ウロフは”オッサ”と発音してた)の曲を4曲、ベルムランド地方はEdaのポルスカを2曲、次回の宿題として録音。まるでミニコンサートのよう。しばし聞き入る…。
、歴史の授業
歴史といっても、今日はCDを聞くのが中心。
グリーン・ムーブメントといって1970年頃にはすっかり廃れていたスウェーデンの伝統音楽を見直そうというリバイバル運動があり、その後、現在の様に人気に。(人気といっても他のジャンルからすると超マイナー)
1908年や1920年といった、そのグリーン・ムーブメント以前に録音された純生・伝統音楽を聞いて、特徴やどの地方かなどみんなで話し合う。
ともかく、ウロフが持っているCDコレクションにまず感心!さすが、見たこともない古い録音の各地方のCDがずらずらと。ICAというスーパーのビニール袋に全部つっこんで持ってきてたのが笑える。

ウッシャの古い録音を聞くと、録音状態が悪いせいで音程がめちゃめちゃなのかと思ってしまう。けど、これはkvartston(俗称:ブルーノート/blå ton)という半音の半分、つまり1オクターブ24等分のマイクロ・インターバルを使っているのだ。ウロフも「音程が悪いんじゃないよ」とコメント。
さてさて、最後に聞いたcapriceが出しているCD。とってもおもしろかった!
70年代のフォーク・リバイバル運動時に、ジャズミュージシャンが興味を持って沢山取り入れたらしく、そのうちの1曲。ピアノ、ドラム、ベースなどで渋めのジャズを弾いていてその中にイェムトランド地方のおじいちゃんが歌っている古い録音を使用。まるでジャズにあわせて、じーちゃんがスキャットしてるよう。この組み合わせ、おもしろいなー!
次回はリバイバル運動以降にバンドで活躍しているミュージシャンについて、だそう。それって、きっとヴェーセンやラーナリムも含むよね。どんな解説をするのか楽しみ。

今日の話題とは関係のない写真を二つ。
今夜は、恒例、Toboorsdagのイベントの日。よそからスペルマンスラーグがやってきてミニコンサートとダンス&セッション。写真左はその様子。近所のおじちゃん、おばちゃんも楽器やダンスシューズ片手に沢山やってきます。
写真右は、熊がニッケルハルパを弾いている絵のTシャツ。かわいくない?
コメント
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