スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

ウッレのおうちで楽器の調整

2006-11-11 05:00:37 | ニッケルハルパ
すっかり雪景色。とはいってもまだ本格的な冬ではないのでゼロ度~2度くらい。雪は半分とけ、半分凍ってとっても危ない。聞いた話では、解けて氷になるこの季節が一番危険とのこと。

昨夜は雪の中、ダーラナ地方の友人宅へお邪魔し、今朝は私の楽器の製作者ウッレ・プランのおうちへ。
前回(10/23)、ウロフが「魂柱(sound post)が少し後ろ過ぎるかも」と言ってたのだけど、なんと親切なことにわざわざウッレ・プランに話してくれたらしい。英語を使わないウロフに突然、英語で話しかけられて何事かと思ったら、その話。

私を迎えに来てくれた頃には本格的に雪が降り始める。湿った雪でドサドサと降る感じ。
友人宅で朝食をごちそうになったというのに、再びウッレのお宅でも朝食をすすめらた。ウッレは大柄で見るからに暖かそうな人柄が伝わってくるとってもいい人。奥さんもバイオリンを弾く(Svärdsjö Spelmanslagのメンバー)、かわいらしくて気さくな人。そして、写真の「イヌ」という名前のウサギを飼っている。

その後、写真のテノールハルパ(tenorharpa)を貸してくれたので、しばしウッレの奥さんと弾く。見ての通り、4弦とも音階がある(nyckelも4列)。そして、オクターブ低くチェロに似た深みのある音色。オクターブハルパ(通称:Holger)と同じ音域なのに若干小さくて軽い。
大きな違いは他に、チューニングがバイオリンと同じG-D-A-E。バイオリンのチューニングに慣れていてこの低い音色が好きな人、またはチェロやオクターブハルパの音色が好きだけど大きすぎる、という人。そんな人は、いきなりtenorharpaから入ってもいいのでは?
価格は、現在20.000kr。楽器というものを購入したことがある人には分かると思うけど、決して高い額ではない。私も喉から手がでるほど欲しかったけど、その前に買いたい弓 (私には高い) を見つけているので予算の問題が。
(注:最近来日したヨハン・ヘディン考案の楽器で、昔からあった訳ではない。ただし、弾き方や構造は伝統的なハルパと変わらないので特にこだわる必要はないと思う。)

これを読んでいるニッケルハルパを弾いている方、ストラップはどんなものを使っていますか?
刺繍のきれいな布ストラップが一般的。でも、これは首を痛めがち。そんな人は固いゴムの入ったストラップを使うと首回りが楽になります。
私は布製がぼろぼろになったので新しい布ストラップとゴムストラップをウッレから購入。ゴムストラップは別の人から買って持ってたけど、びよよーんと伸びてニッケルハルパがヨーヨーみたいに動くので使い物にならず。やや固めのバンドがおすすめ。
(10/31にブログで紹介したチューナー、ウッレに聞いたらやっぱり欲しいって。買い手はついているので帰国時に再び探す予定。)

本題の、魂柱(sound post)の件。やはり前方に少しだけずらすことに。
私と奥さん二人で弾いてる間に、ウッレは金具をf字孔から入れ、ゴンゴンと叩いて少しずつ慎重にずらしていく。

そうそう。ランチまでごちそうになってしまった。
ポテトは皮付きでゆでてゴロゴロとおっきなボールにたくさん。(食べたい分だけとってフォークをブスっと指し、テーブルナイフで皮をむく。)
見ていると剥いたポテトを皿の上でつぶしていたので私も真似して、エイ、ヤー!と無残な姿に。
そこへ、オーブンから出てきた魚料理をすくってつぶしたポテトと混ぜて食べる。
魚料理とは、白身魚の上にコーン、ブロッコリや刻んだパプリカなど野菜を載せ、クリームチーズソースをかけオーブンで表面を軽く焦がしたもの。
うーん、おいしい。ポテトととっても合う。白身もウマイ!これ、おいしいね!とウッレに言うと、「ね、ね?おいしいよね!うん、うん!」と、とってもニコニコ。本当にいいおじちゃん。
窓の外をふとみると、さらに雪がどっさどっさと降っている…。

食後、突然「テストするからおいで」と。てっきり、調整後の楽器のテストかと思ったら、ピアノの前に座らせられ、Hjort Andersの譜面を目の前に置いて、「はい、弾いて」って。
はい?テストって私のテスト?
聞いたら、「うん、うん」とニコニコ顔のウッレ。
とりあえず弾いてみると、どうやらウッレテストにパスしたようで、「譜面よめるんだね。じゃあ、これあげる!」ドサッと、ぶあつい楽譜集をくれた!
やった!ありがとー、ウッレ!
こういう伝承音楽は、楽譜にない曲が多く、楽譜になっていても入手困難だったり、頻繁にスウェーデンに習いに行けなかったりで、レパートリーを増やすのが難しい。なので、とってもウレシイ!

こんなに親切にされたら、「じゃあ、テノールハルパ、一丁!」と言いたい気持ちでいっぱいに。でもね、お金がないものは仕方がない。
お礼に、先週、奈良の呉服屋さんで買った色のきれいな和風デザインの布をあげました。

あ!肝心の魂柱調整後の結果。
音はよくなりました!ただし、劇的な変化は遂げず。
午後から予定もあり、さらに追求する時間もなく、最後はあわただしくサヨナラしました。
コメント (2)
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