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『宇宙から恐怖がやってくる!』フィリップ・プレイト

2014-04-25 | 読書
【告知】深谷フィルハーモニーが4/26(土)12:45頃より深谷市駅前通りの埼玉りそな銀行前にて演奏!屋外でチェロ弾くの初めてだあ~。

内容(「BOOK」データベースより)
巨大隕石がある日突然ぶつかってきたり、ブラックホールに呑み込まれたり、エイリアンが侵略してきたり―それが「もしも」のことではなく、「いつか」起こることだとしたら…?そのとき、地球は果たして生き延びられるのだろうか?幼いころからB級SFエンターテインメントに夢中で長じて天文学者となったプレイト博士が、少年時代の空想を最新の科学研究から検証。太陽の爆発、ガンマ線バースト、宇宙の死など古典的な名作SFからハリウッド映画まで、さまざまな形でとりあげられてきた地球の滅び方を再現しながら天文学的知識をまなべるクールなサイエンス・ノンフィクション。


これは傑作!
難しい素粒子物理学から最新宇宙論まで網羅して、わかりやすく伝えてくれるという、「こういうのが読みたい」と思ってた通りの本に出会えた。

ただし結論としては「宇宙から恐怖はまずやってこない」ってことになるかなw
「恐怖」の内容を以下抜粋。
◆小惑星や彗星の衝突
 これが一番実現性が高い、というか昨年ロシアに落ちたばかりだしね。でも小さいものは毎日たくさん落ちていてほとんどは大気圏で燃え尽きちゃう。流れ星なんて大概チリ状の隕石、米粒くらいあるとかなり明るく輝くレベルだとか。

で、恐竜たちを絶滅させたレベルの隕石(直径10キロ)となると、現代科学では数年前からある程度予測できるので、たとえそうなってもなんらかの処置ができるだろうと。

ただし映画『アルマゲドン』(核爆弾で破壊)のようにはいかない、小惑星は中身スカスカのことが多く破壊できるかが疑問だし、破壊できても散弾銃のようにかえって被害を大きくする恐れもあるとか。物理的力でコースを変えるのが現実的。

◆太陽の暴走・太陽の死
 これも確率としてはかなり小さいと。まあでも過去に太陽フレアで大きな気候変動を起こした歴史もあるそうで(氷河期とか)、絶対安全とは言えない。太陽が放射してくれる熱が数度変わるだけで生き物が大量絶滅するらしいので怖いのは怖い。

ちなみに太陽の寿命はあと60億年は健在だろうと。その時は赤色巨星となり水星金星は飲み込まれ地球は灼熱地獄と化し生物はいられなくなる。

◆超新星爆発・ガンマ線バースト・ブラックホール
 大変に危険な現象なのは確かだが、地球の近所にはそういう現象を起こしそうな天体はない、つまりほぼ安全。ことの危険度より超新星爆発というプロセス自体が興味深い現象で、読み応えはあった。銀河系の中心には巨大ブラックホールがあるそうだけど巨大質量の恒星だと超新星爆発の果てにブラックホールになる。

◆エイリアンアタック
 まず知的生命体の存在の可否だ。宇宙はデタラメに広いからいてもおかしくないのだけど、現在いない可能性(過去や未来に存在したとしても)も結構あるそうでそれを諸々解説してくれている。もし知的生命が我々だけとなるとそれはそれで寂しい物があるね。

以上の通り、「恐怖」というより「ここまで解明した宇宙」という内容。
宇宙の始まりや終わりについても面白い仮説が多く紹介され、とは言え見慣れない言葉のオンパレードで本の分厚さも加わり読了に時間がかかった。

まあ、興味のない人には無価値な本だろうけど、ぼくにとってはしばらく楽しめそうな最高の玩具を見つけたような。


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