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太陽に吠えろ!

2003-07-13 | テレビ・映画・芸能
ちょっと前にテレビで昔の番組のハイライトシーンだけを集めた特番があった。それを見ていて小学生のときの恐怖の記憶がよみがえった。

「太陽にほえろ!」のジーパン刑事の殉職シーン、小学生だったぼくはそれを見たとき激しく混乱し恐れおののいた。
ジーパン刑事役の松田優作はそのシーンをほとんどアドリブでやったそうだ。

ぼくが混乱した理由を今は冷静に分析できる。正義の味方、ヒーローは死ぬときも前向きでかっこいいものだというのが子供にとっての常識、
それなのにGパン刑事は死ぬ間際を思い切り無様に見せた。
まず『何じゃこりゃ~!!』と血だらけになった両手を広げ、それに続いてこういった。
『俺は死にたくないよう!』

死に行く人が生への執着を見せるのは大人になった今だって悲惨な光景だ。ましてや小学生にとっては信じられなかった。Gパン刑事はいつも命を張って市民を守っていたではないか?恐れを知らぬ行動で犯人を追い詰めていたじゃん!それなのに「死にたくない」なんて言っちゃうの?
ま、それだけ松田優作がリアルに刑事像を作り上げたわけだ。死ぬってのはこういうことなんだぞと教えられたかもしれない。

ご存知のとおりこのドラマはしょっちゅう殉職する。そしてそのたびに視聴率が跳ね上がる。ぼくももちろん欠かさず見てきたが、それもロッキー刑事までだったかな。ドラマも終盤になるとやけのように殺しまくる。山さんやゴリさんなど絶対死んではならないキャラを死なせてしまったことは結果的には一時しのぎでありファンを裏切る行為だったと思う。

Gパン刑事が死んだその日ぼくはなかなか寝付けなかった。そんなことなどすっかり忘れていたが今頃急に思い出した。
もしかしたら12歳の凶行を聞いたときと心の衝撃感が似ていたのかもしれない。


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