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筒井康隆『日本以外全部沈没』

2009-10-15 | 読書
しかしまあベタな題名w
小松左京の『日本沈没』のパロディであることを説明するのが恥ずかしいくらい。

実を言うと高校時代の一時期、筒井康隆にハマったことがある、なけなしの小遣いの範囲ながら文庫をのべつ幕なし買いまくっていた。同時に平井和正や小松左京も読んでたけど、筒井の持つ軽妙なセンスにほだされていたのかな。

誰だったか人気作家がこの話を推薦していたのを見て久しぶりに読んでみたくなった。すでに読んだはずだけど内容を覚えていない、まあこんなタイトルだから容易に想像つくんだけどね。

図書館で筒井康隆全集を借りた、20数年ぶりに読んで、、、驚いた。
というか、ショックだった。
まったくまるっきり面白くない。そりゃどちらかというとナンセンスギャグみたいな分野だから時代と共に古くなって当然なんだけど、それにしてもこんなにも浅かったっけ?

冒頭で紹介した人気作家が「文章を学んだ」みたいなこと言ってたが、さっぱりわからない、ぼくに作家としてのセンスが無いのは承知だけど、この中から何を学ぶのか見当がつかない。

『日本以外全部沈没』というネーミングセンスは認める、当時ぼくも『日本沈没』には恐れおののいたから、著者のやり返してやろう的な茶目っ気を感じる。だからこそもっと考えてしっかり作り上げても良かったのじゃないかと不満を抱く。それとも浅い作品に甘んじることで小松左京に気を使ったか?
いやいや、たとえ浅くてもどこか心に響くエッセンスをほんのちょっとだけでも入れて欲しいじゃないか。

20数年後の今だから言えることだろうけどね。ともかく100年経ったら絶対残ってない作品だなあ。
しかし、昔好きだったものごとを否定批判するのは後味が悪い。


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