石匠風間ブログ!

読書、音楽、雑学

12歳の夏

2003-07-12 | 社会・出来事
人の親であることが恐ろしくなった。
長崎の12歳の少年による凶行は日本中を震撼させた。数年前のサカキバラ事件もショッキングだったが、それを凌駕する出来事だった。
自分の子供が被害者になる可能性そして逆に加害者になる可能性、それらを想像するとあまりの恐怖に吐き気がしてくる。

12歳といえば小学校を出て間もない頃だ。世間では親が一番悪いとか今の教育が悪いとかいろんなことが言われている。それを否定はしないが、何か違和感を覚える。それらは結局問題の一面を語ることにしかならないのではないか。加害者の少年は大変優秀であったそうだ。物の善悪を判断できないとは思えないし罪を犯した結果についてどんな償いをしなければならないか、その損得勘定だって出来るだろうに。

中学1年生にもかかわらず170cm近い身長だったそうだ。心は子供、体は大人という状態だ。彼の体の奥から沸いてくる変質的性欲を制御する術は彼にはなかった。そんな考え方も出来る。彼のこれからの人生を思うと暗澹たる想いに心が重くなる。

ただし被害者遺族からすれば少年であろうがなんだろうが息子の命を奪ったことに変わりはない、しかも殺しても殺さなくても誰でもよかったという状況でどうでもいいような殺し方をされた。刺殺でも絞殺でもなく見ず知らずの4歳児を4階から落としたのだ。

数年前にあった「女子高生コンクリート詰め殺人」、あの加害者の中で主犯格はまだ服役中だが副主犯の数人は刑期を追えて普通に生活しているそうだ。何か理不尽な気がする。古代文明であった「目には目を」というのも人間が情念の動物であることを考慮すると実は最も合理的な気がしてくる。