ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第19次支援活動<気仙沼市>(その14)~一本松のいま

2014-03-01 02:41:12 | 能楽の心と癒しプロジェクト
矢作駐在所から気仙沼に行くには、宿の前を通ります。陸前高田市から気仙沼までの距離を考えると、もう約束の時間ギリギリ。宿に近づいたところで携帯で連絡を取ってみると、ようやく宿のフロントに全員が揃うところ、とのこと。浩乃ちゃんは日出子さんの了解を得て能楽チームの活動に参加してくれるそうです。

もう、先に行くよ! と言って、ぬえは一人で今度こそ気仙沼に向けて走り出しました。

。。が、すぐに ぬえも寄り道。(^◇^;)
なんせ例の「奇跡の一本松」の周囲がとんでもない状態になっていたのです。



以前にもブログに書きましたが、一本松の前で JIN'S PROJECT の企画で奉納の能を上演したとき、すでにそのあたりは工事現場となっていました。なんでも、かつての市街のはずれに位置する一本松のすぐ横を流れる気仙川を渡った、高田からは市外になる境界にある山を削っているのですって。山を削って、そこは高台移転の住宅地になり、切り崩して出た土砂は 地盤沈下した平地のかさ上げに使われるのだそうです。その土砂を運び出すのに、ダンプよりも効率がよく、経済的、そして事故や渋滞も防げる、というので、気仙川をまたぐ巨大ベルトコンベアが採用されて、その工事が行われているのだそうで、最初 コンベアを支える建設中の橋脚を見た ぬえは、東京のレインボーブリッジ並みの巨大な橋を造っているのかと思いました。

この撮影から ほんの2ヶ月。一本松のあたりは、やっぱり巨大な道路橋にしか見えないコンベアの橋がほぼ形になり、コンベアで運ばれた土砂を高架から地表にまで降ろすのでしょう、これまた巨大なジェットコースターのコースのような建築物が姿を見せつつありました。



わかるかしら? 一本松はすでに構築物の影にかくれて、ほとんど見えなくなってしまいました。



実際には、一本松はもともとこの工事現場がある場所からは橋を渡ったところにあり、そのさらに少し進んだ奥にユースホステルがありました。いわば一本だけ残った「奇跡の一本松」の母体である「高田松原」全体が、小さな内海を抱えた島のような形で、市街とは少し切り離された格好だったようで、本土に造られたこの巨大ベルトコンベアも、一本松からは少し離れたところに位置しています。だから見学のための遊歩道を徒歩で行けば、変わらぬ一本松の姿は目の前で見れるのだとは思いますが。。

それにしても巨大コンベアの偉容はちょっと驚愕の景色でした。

さて先行した ぬえがコンベアを見るために停車していたところに、能楽チームと浩乃ちゃん一行も追いついて来ました。それでは、というので一同打ち揃って気仙沼に向かいました。


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