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「生きにくい子どもたち」

2010-05-21 | これ読んだ。
「生きにくい子どもたちーカウンセリング日誌から」
 岩宮恵子 岩波現代文庫

いやー良い本読みました。
久しぶりに。
個人的に今年読んだ最高の1冊。

「来週も来るから、ちゃんと待っててね」

それが治療の終わりの合図なのだそうだ。
自分の居場所を確保したまま
次の自分のステージに挑戦する
子供たち。

「ちゃんと待っててね」

なんだかとても泣けてしまうよ。
これ書いてても涙ぐむ。

つばも飲み込めないほど
水も何もかも受け付けなくなってしまった、
アリサのお話。

なんでそうなったのか とか
そういう糾弾というか、
理由の追及はまったくなく、
治療の過程、発した言葉の1つ1つが
丁寧に描かれていて。
大きなドラマ(家庭内暴力とか!?)は全くないのだけど
下手な小説よりドラマティックで打ちのめされる。

子供の心にドキドキして
キラキラと美しい。
ただただ、為すすべもなくぼーっと感動。

大きな課題を抱えているからこそ
10歳の彼女は魅力的で
独特のきらめきがあるというくだりも
すごく印象的。

一緒に異界に迷いたい…
と思うのは
とうに子供時代から遠ざかった
悲しい大人だからです。

アリサは「かぐや姫」なのですが、
不思議の国のアリスでもあるのかな。


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