のんスケの‥行き当たりバッタリ!

ぐうたら人生を送ってきた私が、この歳になって感じる、喜び、幸せ、感動、時に怒りなどを、自由に書いていきたいと思います。

≪ラッキードラゴン≫って‥!?

2012-02-08 12:13:34 | 日記

 ≪ラッキードラゴン≫と聞いて、私はすぐには何の事か、全く分かりませんでした。

 それが、あの≪第五福竜丸≫の「福竜」の部分の英訳だということを、1月15日の日曜美術館を見て、私は初めて知ったのでした。

                   

 ≪ラッキードラゴン≫=「幸福な龍」いう言葉と、≪第五福竜丸≫の「悲劇」との間の、なんという隔たり・真逆!

 

  そして、アメリカ在住のベン・シャーンという人が、第五福竜丸の悲劇を、≪ラッキードラゴン・シリーズ≫という絵に表されていることも、私はこの番

組で、初めて知りました。

                      ←1月15日 日曜美術館のタイトル

                          ←ベンシャーン(1898~1969)

  

 1954年に起こった第五福竜丸事件に衝撃を受けたベンシャーンは、雑誌社の依頼を受けて、1957年から、ラッキードラゴンシリーズ(挿絵)を描き

始めました。

                    ←放射能被爆で死亡した、久保山愛吉さんを描いた絵

              ←久保山さんが手にしている紙きれの部分のアップ

 久保山さんの手に握られている紙切れには、次のような言葉が書かれています。

        「私は久保山愛吉という漁師です。

        1954年、私たちの乗った船、ラッキードラゴンは、ビキニで放射能を浴びました。

         (中略)

        その年の9月23日、私は放射能症のために、死にました。」

 

 番組は、ベンシャーンのラッキードラゴンシリーズに共感した、これまたアメリカ人のアーサービナードという詩人・随筆家(22歳で来日)が、20

06年にベンシャーンの絵に言葉を添えて、絵本「ここが家だ」を作られたことも紹介していました。

 そしてこの絵本は、第12回「日本絵本大賞」を受賞したのだそうです。

 2006年と言うと比較的最近ですが、私は、この絵本の存在を、恥ずかしながら、全く知りませんでした。

                   

 

 アーサービナードという方は、テレビで顔を見たことはありますが、彼が、このような仕事をされていたのは、初耳でした。

                     

 

 この絵本の中から、ベンシャーンの絵とアーサービナードさんの文の一部を、次に載せます。

                 ←第五福竜丸が出航した焼津港

                   ←水爆実験の音を聞いて、天を仰ぐ漁師たち

               

                      ←アーサービナードの文章の一部

 

 私は、番組を見た時からすぐ、この絵本を買い求めようと思っていましたが、いまだに果たせていないのは、ズボラ以外の何物でもありません(涙)

 

 番組は、ラッキードラゴンシリーズ以前以後の、ベンシャーンの活動も紹介していましたが、ここでは、私が好きな、彼の戦前の絵と写真を載せて

おきます。

 

 まず下の絵は、1932年に描かれた「サッコとウ゛ンゼッティの受難」

 二人は、無実の罪で捕らえられ、その後処刑されたのだそうです。

                

処刑後、棺に納められた、サッコとウ゛ンゼッティ。その傍で百合の花を持って立っているのは、彼らを無実の罪で死に追いやった裁判官たち。

                       

 

 次は、1930年代の大恐慌時代に、彼が、アメリカ政府の依頼(庶民の生活の現実を知る為という)を受けて撮った写真。

                

                      

                          

 上の写真のどれもが、貧しいながらそれに屈せず生きている人々の、芯の強さをあらわしているように思います。

 そして、彼らに対するベンシャーンの優しい眼差しが感じられて、とってもイイ写真だと、私は思いました。

 

 最後に、ラッキードラゴンシリーズを描いた後にベンシャーンが語った言葉を、次に記しておきます。

           久保山さんは、あなたや私と同じ一人の人間だった。

           第五福竜丸シリーズで、彼を描くというより、

           私たちみんなを描こうとしたのだ。

 

 原子力の脅威がひしひしと感じられる今、私はベンシャーンのこの言葉を深く胸に刻んでおきたいと思いました。

           

 

 

                   

      

 

 


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