去年の9月19日に強行採決された<安保関連法案>が、この日をもって、遂に施行された。
今後は、先ずは自衛隊の方々が、戦闘に巻き込まれて傷ついたり殺されたり、逆に心ならずも、人を傷つけたり場合によっては人を
殺さなければならなくなる可能性が出てくるのだ。
それを思うと、私は激しい戦慄に襲われる。
この日、日本各地でこれに抗議する集会が行われたことを、夜のテレビが伝えていた。
(その中から2画面を下に紹介します。)
しかし、私はこの日、何の行動もとらなかった。
前からの予定があったからでもあるが、この日何も行動しなかったことは、やはり私の気持ちを重くした。
でも私の気持ちが変わったわけではない。
私は今でも、あの法案に強く反対し、これからは、あの法案を根拠に強行されるだろう、戦争(人殺し)につながる道を阻止しなけれ
ばならないと、強く思う。
日本は、第二次世界大戦で、侵略者として近隣の国々の人々を死に追いやり、人々に言い知れぬ苦しみを与えた。
そして同時に日本人は、原爆や沖縄地上戦、空襲等によって、多くのむごたらしい死と苦しみ.悲しみを体験させられた。
戦争の持つこの加害性と被害性、その両面がもたらした大きな苦しみと反省から、戦後日本人は、<平和への道>を歩み始めたの
だ。
<平和への道>、それは決して簡単に手に入れられる道ではない。
様々な民族.宗教.利害の入り混じる世界の中で、平和裏に問題を解決することは、とても困難なことだ。
でも、困難だからこそ<平和>は、私たちが追い求めなければならない<崇高な理想>なのだ。
そして、その崇高な理想を掲げたのが、今の憲法なのだ。
安倍首相初め今の為政者は、憲法の掲げるこの崇高な思想が理解できないらしく、憲法そのものを改悪ようとしている。
この夏の参議院選(又は衆参同時選挙になるかも)で、、安倍首相は、またも姑息な手段を用いて、自分たちのたくらみを実現しよう
としている。
私たち国民は今度こそ、そのたくらみの本質を見抜き、卑劣な現政権のやり口と野望に、歯止めをかけなければ、と強く思う。
上のブログを書いていて、私は以前見て感動を受けた、あるテレビ番組のことを思い出した。
その番組は、BS3でやっている<地球イチバン>という番組。
その番組の中では、ある有名人?が、地球上の様々な<イチバン>を求めて、旅をする。
私が今回取り上げるのは、昨年の12月に放映された<地球イチバンセレクション「世界一美しい鳥を探せ!」>だ。
その番組は、中米の小さな国・<コスタリカ>にいるという、世界一美しい鳥<ケツァール>を探して、中村靖日さんが旅するとい
うものだった。
しかしこの番組を通して、私が(多分、旅人の中村さんも)強く心を惹かれたのは、<コスタリカ>がたどって来た歴史と、今の国のあ
り方・人々の暮らし方の素晴らしさだった。
私はこの番組を見るまで、コスタリカという国について、国名と中米にある国というくらいしか知らなかった。
番組では、1950年にアメリカからコスタリカに移住してきた、ギンドンさん(現在84歳)とそのご家族を紹介していた。
1950年と言えば、ベトナム戦争真っただ中の時期。
ギンドンさんは、ベトナム戦争に反対し兵役を拒否して、コスタリカに移住される。
なぜ移住先としてコスタリカを選ばれたのか?
それについて、ギンドンさんは次のように語られる。
「私がコスタリカに移住を決めたのは、国が発展しつつあったし、平和のために軍隊を放棄していたからです。」
コスタリカ・モンテベルデで今、自然保護活動を子どもたちと一緒にされている、ジョーさん(写真・下)は、言われる。
「中央アメリカのような紛争の多い地域が周りにあるにも関わらず、コスタリカは、軍隊のない国の道を歩み始めて、森の保護に
力を入れるようになった」と。
「兵士より、多くの教師を!」 それがコスタリカのスローガンだった。
ジョーさんの夫人も又、誇らかにこう言われる。
もちろん、コスタリカがこのような国になったのには、移住されたギンドンさんやジョーさんを初めとした多くの人たちの、血のにじむよ
うな努力があった。
ギンドンさんは移住後、森の木を伐採して牧草地を作ることで、生活を支えられていた。
しかし、森の消滅が、コスタリカの自然の生態系を破壊し、そこに住む多くの希少動物の絶滅につながることに気付かれ、多くの人を
説得して、牧草地を森に返す運動を繰り広げられた。
そんな中で、コスタリカにしかいない多くの希少動物が復活し、コスタリカは<生物多様性世界一の国>の名誉を得た。
そんな自然の豊かさを求めて多くの外国人がコスタリカを訪れ、コスタリカは観光立国となって経済が安定し、それが又森の保護へ
と繋がっている。
独立記念日の日、広場に集った人々。
「独立し、自分たちの手で軍隊を放棄すること、自然を保護すること」を選んだ、コスタリカの人たち。
彼らは高らかに言われる。
「コスタリカが自由を獲得したことと、軍隊を放棄したということと、自然を守ろうとすることは、つながっている!」と。
紛争地帯を抱えた国でありながら、このような国の有り様が可能なのだ!
それは私たちに、大きな示唆と励ましを与えてくれるのではないだろうか!